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看護師が足りない まずは待遇、環境改善

 県内の病院で、慢性的に看護師不足が続いている。それに伴って看護師の業務量が増え、患者への十分な看護の提供ができなかったり、医療ミス・ニアミスにつながったりしているという。

 県医療労働組合連合会が県内10病院の看護職員205人を対象にした調査によると、医療ミス・ニアミスの経験を聞く問いでは「ある」との回答が8割に上った。その理由については、8割が選択肢から「慢性的な人手不足による忙しさ」を選んだ。

 「患者への十分な看護の提供」の有無に関する質問では、約6割が「できていない」と答え、その理由に8割以上が「人員が少なく業務が過密」と答えた。

 仕事を辞めたいか、との問いに対して「いつも思う」「ときどき思う」と回答した人が合わせて7割に上り、理由は「人手不足で仕事がきつい」が最多だった。

 県内の看護師は、数字で見る限り増加している。県の調べでは2012年は9006人だったが、14年には9529人、16年には1万225人になった。だが、高齢化や医療の高度化などにより、病院側の需要も増え、慢性的な不足状態が続いている。近年は介護関係でも需要が高まり、人材が流れている可能性もあるそうだ。

 結婚や出産を機に離職するケースも多い。ほとんどが女性という職種の特性から、それが全体の離職率の高さにつながっている。近年は出産や育児に配慮した夜勤免除や短時間労働、育児休業などの制度が定着しているが、それに応じた人員を配置していないケースもあり、制度が定着すればするほど、人手不足感が高まるという側面も垣間見える。

 県や関連団体は就業促進や離職防止などの対策を進めている。看護師養成学校などの在学者に病院の募集情報を提供し、就職相談に乗るのはもちろん、就業していない有資格者に対する復職研修もしている。院内保育所の設置運営に補助を出したり、ナースセンターに相談窓口を設け、就業中の不安やストレス軽減を図ったりもしている。看護職を目指す学生に修学資金を貸与し、県内の指定病院に一定期間勤務すると返済を免除する制度も設けている。

 4月には、県の誘致に応じた東京医療保健大学が和歌山市に看護職の人材を養成する「和歌山看護学部」を開設する。県内への人材定着を期待したいという。

 しかし、高齢化が急速に進展しており、それによって看護人材の需要はますます高まる。一方で少子化が進み、なり手は減る。

 こうした状況にどう対処するか。まずは勤務環境を整え、離職を減らすことが先決だ。待遇をよくすることも求められる。

 看護師は人命を預かる職種の一つ。その人たちのストレスが高まって健康が悪化したり、看護がおろそかになったりすれば、ミスやニアミスにつながる。それでは医療機関の役割は果たせない。行政と医療機関が協力し、知恵を絞っていかなければならない。 (K)



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