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太陽光発電の認定制度 住民の理解を最優先に

 太陽光発電事業が進む中「事業者から十分な説明がない」「安全性は大丈夫か」といった苦情や不安の声が県や市町村に多く寄せられている。中には、県や市町村にも知らされないまま事業が始まっていた事例もあるという。

 これに対応するため、県はこの問題を総合的に管理できる制度を導入する方針を決めた。県議会2月定例会に条例案を提案する。他府県に先駆けた制度であり、住民の不安を解消し、安心を確保できる運用を期待したい。

 県は、大気汚染を防ぎ、地球温暖化防止が期待される新たなエネルギー源として、太陽光発電に注目、県内での普及を目指している。原子力発電に比べ、大規模で取り返しのつかない事故も起こりにくいといった利点もある。

 一方、施設の設置に際して事業者は、森林の伐採や土地の造成が必要な場合に土砂崩れの心配はないか、施設の色彩、パネルによる光の反射など景観上の問題や自然環境への影響はないかなどを検討しなければいけない。

 本来はこうした点について、さまざまな法律や条例に基づき、許認可を得たり、住民説明会を開いたりする必要がある。しかし、規模や設置場所によっては対象外となる場合があり、地元や市町村、県も知らず、行政による安全確認がないまま、事業が進んでいた例もあるという。

 例え法的な基準をクリアしていたとしても、住民からいえば、地元関係者への説明が不要ということにはならない。そこに暮らす人たちに影響が及ぶ以上は、十分な説明を受ける権利がある。着手後にトラブルが起これば、事業者にとっても損害になる。

 そこで県は、50キロワット以上(屋根への設置を除く)を一律に対象とし、県が総合的に管理し、住民ができるだけ安心できるような仕組みを考えた。具体的には、事業者に対し計画案の段階での公表や県や市町村との事前協議、住民説明会の開催を義務化。県も住民から意見を受け付け、最終的に知事が計画を認めるか判断する。知事による認定の基準には安全、環境、景観面のほか、住民や市町村長の意見も盛り込むとしている。

 同様の制度は兵庫県も設けているが、事前協議の義務化や認定制度は全国初とみられる。太陽光発電を巡る問題は全国でも起こっており、条例骨子案の公表後、他府県から問い合わせが続いている。事前協議から工事着手までに時間がかかる可能性もあり、他府県から「ここまでやるのか」との声もあったという。

 これに対し、県は新制度の必要性を強調。住民から苦情が増えている中、事業者からの説明不足がないようにし、災害や環境の影響などへの不安を少しでも解消したい、としている。

 住民の理解と普及の促進。それを両立させるための制度として、県は全国に先駆けた条例案を提案する。内容は厳しくても、太陽光発電普及のためになる制度に磨き上げてもらいたい。 (K)



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