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高校の卒業生へ 地元への愛着を胸に

 3月1日は公立高校の卒業式。卒業生は4月から、進学や就職で新たなステージに飛び立つ。

 彼、彼女らは高校で何を学び、卒業後にどんな夢を描いているのか。本紙は卒業式を前に、田辺地域にある7校の生徒に取材し「旅立ちを前に」という連載記事にした。そこから見えてきたのは、勉強や部活などに一生懸命取り組み、将来を見据えて歩んできた高校生の姿だった。

 熊野高校の竹本昌平君は看護科で病院実習などに励んだ。患者の心に寄り添う大切さを学び、相手の気持ちを考えられる看護師を目指して同校専攻科に進む。

 少林寺拳法部で初めて女子主将になった神島高校の山本春香さんは、部活動を通して食の大切さを実感。管理栄養士になるために大学に進学する。

 南紀高校の垣内智稀君は、バドミントン部の設立やラジオのパーソナリティーに挑戦。声優の夢をかなえるため、東京の専門学校に進む予定という。

 野球に熱中したのは、南部高校龍神分校の小川隼勢君。卒業後は実家の工務店を継ぐために専門学校に進む。「野球に打ち込んだように、今度は勉強と仕事に打ち込む」と話す。

 田辺高校の大江夏希さんは、吹奏楽部で仲間と切磋琢磨(せっさたくま)した。地元で小学校教員になることを目指し、卒業後は京都の大学に進学する。

 体操部で忍耐力などを鍛えられたというのは田辺工業高校の田野智樹君。卒業後は、働きながら体操の普及を手伝いたいという。

 南部高校の芦硲伊代さんはバスケットボール部で奉仕活動に取り組み、その経験を部活動に生かした。白浜町のアワーズ動物学院で学び、飼育員を目指す。

 そうした若者の話を聞いて、取材記者は「部活動は仲間と助け合って成長し、社会のマナーを身に付ける場所でもある。将来を見据えて物事に積極的に取り組んでいる姿に、しっかりしていると脱帽の連続だった」と振り返る。私たちも心から「頑張って」とエールを送りたい。

 文部科学省の「学校基本調査」によると、2015年に県内の高校生が県外の大学と短大に進学した割合は進学者全体の86・5%。全国で最も高く、大半が高校卒業を機に県外に出てしまう。そうした人たちに、これからもどう郷土とのつながりを持ってもらうのか。

 田辺地域には郷土愛を育むために地域学習に力を入れている高校があるし、梅やミカンなど特産物を使った商品開発に取り組む高校もある。地元のお年寄りや子どもらを対象にボランティア活動をしている部活もある。

 これらの活動や部活動で仲間と過ごした体験を生かそう。「私の故郷はこんなに素晴らしい。ここで育ったんだ」と胸を張ろうではないか。それがこれからの人生を支えてくれる。

 高校生活で培ったことを土台に、将来の夢に向かって思いっきり羽ばたいてほしい。 (F)


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