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本宮大社創建2050年 地域の元気を加速させよう

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の「御創建2050年奉祝式年大祭」が11〜15日に営まれた。本殿祭や渡御祭があった15日を中心に、多くの参拝者が訪れ「よみがえりの聖地」と呼ばれる熊野・本宮が沸いた。

 熊野本宮大社は、崇神天皇65年(紀元前33年)、旧社地・大斎原(おおゆのはら)にあったイチイの大木に、熊野三所権現が三体月となって降臨したのが始まりという縁起を持っている。

 節目の年を盛り上げようと、昨年9月、各種団体でつくる「熊野本宮大社御創建2050年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)が発足。春の例大祭に合わせ「式年大祭」として、さまざまな神事や奉納行事を営んだ。

 今年12月末までを創建2050年の「奉祝期間」として、毎年4月13日に実施している県指定無形民俗文化財「湯登(ゆのぼり)神事」を秋にも再現するなどの関連行事を計画している。

 式年大祭に合わせ、本紙は九鬼宮司ら神社関係者、語り部や観光関係者、町おこしに携わってきた住民を取材。「紀南に生きる〜聖地・本宮編〜」として紹介した。

 「世界に二つしかない巡礼道の世界遺産。それが魅力を押し上げている」というのは、熊野古道とスペインのサンティアゴ巡礼道を歩いた経験を生かし、旅人を支える荷物搬送サービスを始めた鳥居泰治さん(59)。取材記者は「地元を誇りにしている人の話はすがすがしかった。地元愛が住民を輝かせている」と振り返った。

 熊野古道「伏拝王子」のそばで茶屋を営む70代の地元女性2人を取材した記者は、観光シーズン前にもかかわらず、続々と古道歩き客が訪れる様子に驚いた。「古道を歩く人が癒やされるだけじゃなく、私らもここで心が癒やされている」と話した榎本萬千代さんの言葉が印象に残ったという。

 取材に応じてくれた人がそれぞれ地域に誇りを持って生きていることが聖地・本宮をより一層輝かせている。それを再確認することができた連載だった。

 実際、2004年の世界遺産登録をきっかけに、本宮を訪れる人は増えている。宿泊客と日帰り客を合わせた観光客は、世界遺産に登録された04年が115万1033人。それが17年には151万6814人(1・3倍)に増えた。特に外国人の伸びが著しく、04年に492人だった宿泊客数は17年には2万1133人となり、6年連続して過去最多を更新した。

 熊野古道とサンティアゴ巡礼道の両方を歩いた人を登録する取り組みでも今年2月下旬、千人目の達成者(うち約75%が外国人)としてアメリカ人男性が登録された。外国語が飛び交う本宮を訪れるたびに、世界から注目されていることを実感する。

 こうした動きをさらに加速させよう。そのためには、地域に住む人が世界遺産の価値や魅力を再確認することだ。地域の宝を磨いて地域を元気にしたい。 (M)


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