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和歌山南漁協の不正 徹底的に真相解明を

 和歌山南漁協(本所・田辺市)で補助金などの不正受給が発覚、住民から批判を浴びている。白浜町から補助金や助成金を不正受給した疑いが明らかになったのに続き、田辺市と実施した別の事業でも、その費用を水増しして市に請求していたことが発覚した。

 白浜町で問題になっているのは「水産増殖事業費補助金」と「漁業振興助成金」。放流用のイセエビやトコブシの購入費などに充てるとして漁協が申請し、町が日置、白浜両支所の分として毎年、交付していた。しかし漁協側は、一部を申請とは違う内容に使っていたことを町に認めた。

 発覚のきっかけは組合員の1人が4月、「漁協は虚偽の申告に基づいて受給した」として、漁協と町それぞれに調査を求める文書を提出したこと。漁協はこれを受けて弁護士らで構成する第三者委員会で調査すると町に報告した。

 白浜町の問題が発覚した後、田辺市も独自に調査。その結果、市と漁協による2017年度のイセエビの放流事業で水増しが判明した。

 市によると、同漁協湊浦支所が種苗160キロ分の購入費として112万3200円を市に請求したが、実際の放流量は37・04キロ。差額の86万3200円が水増しだったという。湊浦支所は非を認め、調査に対し、積極的に協力すると約束しているという。

 しかし現段階では、漁協に不正があったことが分かっただけで、その詳細は明らかではない。偽りの公金受給はどんな方法で実行されたのか、不正に入手したお金を何に使ったのか。町や市は補助金の支出に際して実態を正確に把握していたかどうかも、これから解明しなければならない。

 漁協の関係者に聞くと「放流事業の実態を知らない組合員もいる。放流量が申請より少なかったというなら、漁師たちもだまされていたことになる」という声や「この機会に問題点を洗い出さなければ」という意見がある。その通りだ。漁協や市、町はまず、全容を解明し、原因と責任を究明しなければならない。

 和歌山南漁協は07年4月、田辺市からすさみ町にあった5漁協が合併してできた。当初から運営は厳しかったようだが、最近は組合員の減少傾向などもあって「とてもつらい状態」にあるという。

 しかしながら、漁協にどんな事情があったにせよ、それが水増し請求や目的外使用を認める理由にはならない。

 一方、こうした問題に絡んで、田辺市では別の補助事業で、市職員が不適切な会計処理をしていたことも判明した。漁業の障害になる海のごみを撤去するに際し、ごみの量に応じて出す補助金(17年度分)を、実際より水増しして申告していたというのだ。

 なぜ、職員がこの不正に関与したのか。漁協の一連の問題と関連はあるのかどうか。市は徹底的に調査を尽くし、場合によっては司法の手を借りてでも真相を解明する責任がある。 (N)


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