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高校野球100年 節目の年、名勝負を期待

 この夏100回目を迎える高校野球和歌山大会が11日、和歌山市の紀三井寺球場で開幕する。39校が参加し、節目の年の甲子園出場を懸けて熱戦を繰り広げる。

 優勝候補の筆頭は春の選抜高校野球大会に出場し、準優勝した智弁和歌山。昨年夏も和歌山代表として甲子園に出場し、2回戦で大阪桐蔭に惜敗したが、その実力は全国でもトップクラスにある。

 その実力校に紀南の高校がどう立ち向かうか。組み合わせを見ると、紀南勢は智弁和歌山のゾーンに入っていないので、まずはベスト4への進出を目指してほしい。

 大会の前に紀南の各校を取材、強豪校とどう戦うか聞いた。各校からは「最初から全力投球」「逃げずに攻め続ける」などという強気の言葉が聞かれた。敗戦の悔しさからより練習に励み、その成果を夏にぶつける。球児たちの成長した姿を見ることができるのも高校野球の魅力の一つだ。

 夏の大会は1戦必勝の一発勝負。同時に出場する9人と、それをバックアップする交代メンバーが総力を挙げて戦う大会でもある。目の前の試合に持てる力を出し切るための努力をチームの全員が日々続けてほしい。その先に活路は開ける。

 本紙はこの夏、「記憶に残る名勝負」を連載。和歌山大会で印象に残った試合について、記憶に残る場面を演出した元高校球児に語ってもらった。

 1954年夏、後に甲子園のスターとなった新宮の前岡勤也投手と延長13回を投げ合い、惜しくも敗れた田辺のエース、岩本英樹さん(82)は、その敗戦を昨日のことのように悔しがる。95年に田辺を初の甲子園に導いた元監督の愛須貴志さん(57)は「勝った試合よりも、負けた試合の方が印象に残っている」と話す。

 熊野からプロ野球界に進んだ元投手、辻博司さん(68)は、最後の夏の思わぬ敗戦の思い出を語ってくれた。同じく熊野からプロ野球界に進んだ古谷盛人さん(55)は「プロになっても高校時代の甲子園は特別」と話し、かなわなかった自身の夢を現在の高校生に託している。

 ともに南部のOBで同校の監督を務めた畑崎周定さん(70)と井戸大志さん(67)は、全盛期の箕島や台頭期から全盛期の智弁和歌山などと互角に渡り合った数々の名勝負を振り返り、母校の奮闘を願っている。

 6人とも、はるか昔の高校野球の思い出を目を輝かせながら語ってくれた。それだけ野球に打ち込んだ「最高の夏」が人生に大きな影響を与えているのだろう。

 現在の高校野球は、有名私立校に有望な選手が集まる一方、紀南では野球部員が20人に満たない高校があるなど「格差」が広がっている。けれども、勝利に向かって球児が必死に白球を追う姿は今も昔も変わらない。一つ一つの試合にドラマがある。

 今年はどんな名勝負が繰り広げられるのか。球児の活躍を祈り、心から応援したい。 (H)


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