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読書離れと中学生 読み書きが全ての出発点

 県内中学生の読書離れが止まらない。全国の小学6年、中学3年生を対象にした本年度の「全国学力テスト」(国語、算数・数学のA・Bと理科)と同時に実施されたアンケートで、読書を全くしない生徒が4割に上った。全国的に見ても深刻な結果であり、重く受け止める必要がある。

 本年度の学力テストの成績では、5教科のうち「数学A」以外の4教科が全国平均に届かなかった。この4教科は2007年度の開始以来、一度も全国平均を上回っておらず、記述問題の正答率の低さは構造的なものと考えられる。その原因はどこにあるのか。

 ヒントの一つがアンケート結果にある。「授業以外に平日、1日当たり何時間読書しているか」との問いに、40・8%が「全くしない」と答えたことだ。大阪43・0%、奈良42・1%に次ぐ数字で、全国平均の32・9%と比べ7・9ポイントもの差がある。

 一方で、読書習慣のない生徒が一番少ない秋田県は19・6%。その秋田県が毎年、学力テストでトップを競っていることと合わせて考えると、読書習慣と学力の相関関係がうかがえるのではないか。

 実際、この回答結果と5教科の全国平均正答率との関係をみた分析結果によると「全くしない」層の各教科の平均正答率は、全てで最低。正答率最高の層と比べると、各教科で5・5ポイント以上の差があった。

 「新聞を読んでいるか」という項目も興味深い。「ほぼ毎日読んでいる」層のテスト正答率は、全教科で最高。全教科とも「週に1〜3回」「月に1〜3回」「ほとんどか、全く読まない」層の順に正答率が下がっていった。「ほぼ毎日読んでいる」生徒と「全く読まない」との差は「数学B」で10・7ポイント、「数学A」では9・0ポイントもあり、正答率との間に無視できない相関関係が見られた。

 テストは問題文を読み、何が問われているかを理解し、考えなければ回答できない。その手順はどの教科にも求められる。

 普段から活字に親しんでおれば読解力が養える。世の中の出来事や仕組み、歴史なども知ることができ、考える力も身に付く。教科の成績向上だけでなく、それは子どもたちが社会で生き抜く力にもつながる。

 県教育委員会はこうした調査結果をどう捉えているのか。

 学力を養う上でも、読書は重要であり、子どもが読書の楽しさを実感できるように施策を進めているという。具体的には(1)市町村に学校司書の配置を呼び掛け、担当教員への研修を進めている(2)昨年度から全小中学校の図書室を昼休みや放課後も開放するよう働き掛けている(3)現在、「県読書活動推進計画」の改定に向け、議論を進めている段階という。

 子どもが読書の楽しさを知り、自ら本を求める。それが書く力につながり、学力が向上する。そんな仕組みを定着させるために、県教委の努力が求められる。保護者の協力も不可欠である。 (K)


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