AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

県の障害者雇用 県政への信頼を取り戻せ

 中央省庁や都道府県で次々と発覚している障害者雇用者数の水増し問題が和歌山県でも明るみに出た。昨年の障害者雇用者数について、実際より17人多く厚生労働省に報告していたという。

 県は昨年の厚労省調査に対し、障害者は76人雇用し、職員に占める雇用率は2・3%と報告していた。しかし、再調査の結果、実際の雇用者は59人、雇用率は1・91%であり、当時の法定雇用率2・3%を満たしていなかった。

 雇用促進法は、国や地方公共団体、企業などに、常時雇用者の一定割合(法定雇用率)以上、障害者を雇用することを義務付けている。現在の法定雇用率は国や地方公共団体は2・5%、民間企業は2・2%。民間の場合、従業員100人超の事業所がこれを満たしていない場合、不足分1人について月に5万円の納付金を納めなければならない。

 県によると、障害者雇用者数に算入する場合、障害者手帳や医師の診断書などを確認する必要があるが、17人のうち6人については本人からの申告だけで、手帳も診断書も確認せずに算入していた。本人が知らないままに数えられていた可能性もあるという。

 2012年以前の書類が廃棄されており、算入した時の状況がよく分からない別の8人についても同様、本人の申告だけで算入していた可能性があるという。

 診断書を持っていたが、条件を満たしていなかった職員や、障害者手帳を返納した職員もそのまま算入していた例もあった。

 こうした事例について、県は厚労省からの通知文に障害者の範囲について「原則として手帳の等級に該当する者」などとあるため、必ずしも手帳を確認する必要はないと拡大解釈していたからではないかという。

 しかし、不適切算入は今年の調査でも明らかになった。当初は雇用者は79人、法定雇用率(今年から2・5%)を上回ったと報告していたが、再調査では61人、雇用率も2・11%だった。さらに県警や県教育委員会でも同様の事例が明らかになっている。一体どういうことか。

 県は厚労省の通知文の拡大解釈であり、意図的な水増しではないと説明しているが、そんな言い分が通用するのか。法律や厚労省のガイドラインを十分理解していれば、こうした誤りは起きなかったはずではないか。

 県は企業に障害者雇用を促す立場にあり、率先してそれを実行する責務を負っている。にもかかわらず、足元では雇用率を実際より多く見せ掛けていた。到底認められることではない。

 民間には厳しく、身内には甘くという姿勢では、県政への信頼が揺らぐ。障害者の雇用促進だけではなく、他の政策にも悪影響が及ぶ。その危険性を知るべきだ。

 再発を防ぐとともに、今後は障害者の積極的な採用に取り組んでもらいたい。行政が先頭に立ち、民間とともに進めてこそ、障害者の雇用は進む。 (K)


更新)