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読書のすすめ 本でつながり、読解力向上

 子どもの読解力が低下している。2016年に経済協力開発機構(OECD)が公表した15歳対象の国際学力調査では、前回に比べて日本は読解力が4位から8位に転落、平均点も22点下がった。

 文章を読み解く力がないと、自分の考えをまとめたり表現したりするのは難しい。学校のテストでも「問題が何を聞いているのか分からない」という子もいるというから事態は深刻である。

 18年度の全国学力・学習状況調査によると、学校の授業以外で読書を全くしない子が小学6年生で18・7%(県内19・6%)、中学3年生では32・9%(40・8%)いる。新聞をほとんど読まない小学6年生は60・9%(52・3%)、中学3年生は70・4%(69・7%)。

 本や新聞に代わったのが、インターネットやSNSである。若者の間ではSNSを通じた短文のやりとりが普及し、一方で、長文を読んだり、書いたりする機会は減っている。それが読解力の低下につながっているという。

 こうした事情を考えると、読解力と読書習慣には深い関係があることが分かる。そこでどうするか。お勧めしたいのが読書会だ。最低2人以上、3〜4人程度集まれば始められる。

 ルールはさまざま。各自が持ち寄った本を紹介し合い、その内容にまつわる情報や意見を自由に出し合う。課題図書を設定し、それぞれの感想や感じ方の違いなどを話し合うのもいい。参加者が4人なら4通りの読み方がある。多角的で広い視野が得られる利点がある。

 それにプラスして参加者が口をそろえるのが、読書体験を分かち合う喜びだ。「気に入った本の感動を伝え、共感してもらえたらうれしい」「紹介したい箇所に付箋を貼るなど、伝えることを前提に読書するようになった」「興味がなかった分野の本も紹介されると読みたくなる」

 よりゲーム性が高いのが、知的書評合戦「ビブリオバトル」だ。それぞれ持ち寄ったお気に入りの本について魅力や感想を語り、聴衆の多数決で一番読みたくなった本(チャンプ本)を決める。

 発表者は自分の主観で面白い本を探す。しかも「どの本が一番読みたくなったか」が勝負の基準なので、他の人に「読みたい」と思ってもらえる本を選ぶという条件が加わる。投票の仕組みがあるため、聴き手側もしっかり耳を傾ける必要がある。

 いま学校や社会で求められる読解力は、思考力や判断力、表現力に通じる力である。そうした力を鍛えるには、ただ本を読んで楽しむだけでなく、「読んでどう考えるか」という要素が重要になる。

 読書会にしろ、ビブリオバトルにしろ、読書体験を言語化、共有化する。読解力を育てるにはうってつけではないか。

 読書好きの人も含めて本を通じて人とつながるイベントに参加してはどうだろう。読書の世界が一気に広がるはずだ。 (K)


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