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最終処分場起工 いまこそ、ごみ減量を

 みなべ町以南10市町のごみを埋め立てる最終処分場の建設工事が始まった。順調にいけば、2021年度中には供用が始まる。

 紀南環境広域施設組合(管理者=真砂充敏田辺市長)の前身組織が候補地探しを始めて13年。待望の施設だが、現在のごみ排出量から試算すると、15年後にはこれも満杯になる。いまこそ、紀南を挙げてごみの減量を考えたい。

 環境省がまとめた2016年度の実態調査によると、県の1日1人当たりごみ排出量は946グラム。全国平均より21グラム、最も少ない長野県に比べると124グラムも多い。

 長野県は最終処分場の適地が少なく、県外の処分地へ持ち出すごみも少なくない。当然、処理コストが高くなるので、市町村がごみ減量に力を入れている。それが効果を上げているのだろう。

 最終処分場は燃やせず、リサイクルもできないごみがたどり着く場所である。そこに至るまでの過程に工夫を凝らせば、もっとごみは減らせる。例えば、埋め立てごみの半分近くを占める可燃ごみの焼却灰を減らすには、古紙類や生ごみそのものを減らせばよい。

 しかし、それが進まない。田辺市では古紙類を再生するため、41カ所に回収拠点を設け、登録した子どもクラブや自治会などに回収量に応じて奨励金も交付している。それでも、回収量は年々減少している。どうしたことか。

 生ごみは適切に処理すれば堆肥として資源化できる。市は生ごみ処理機を購入する際、購入費の一部を補助している。畑や家庭菜園を持たない人も、電気式の処理機で生ごみを乾燥処理すれば、ごみの臭いを抑え、軽減化できる。ところが、年間の補助は20件程度にとどまり、伸び悩んでいる。

 広域の最終処分場では、構成10市町が向こう15年間のごみ排出量計画を提出し、それぞれ埋め立て用の「枠」を設け、その大小で負担金が増減する仕組みを作った。この「枠」をどう使うかは、市町の努力に任されており、ごみを減らしてこの「枠」を売る仕組みを作れば、ごみの減量に尽くした市町ほど財政負担を軽減できる。

 世界に目を向けると、ペットボトルやストローなど使い捨てプラスチックごみ削減に向けた取り組みが、急速に広がっている。日本でも外食企業を中心にプラスチック製ストローを廃止する動きが出ており、田辺市内でも紙ストローを導入した店が現れた。

 きっかけは6月にカナダで開かれた主要7カ国首脳会議(G7)で採択した「海洋プラスチック憲章」。30年までにすべてのプラスチックを再利用や回収可能なものにする方針を決めた。日本は署名していないが、環境省が対策を協議する委員会を設置している。

 投資家が企業の価値を考える際には、成長や利益に加え、環境や社会問題への取り組みを厳しく見るようになっている。時代はごみの減量に向かっているのだ。

 私たちもまた、生活スタイルを見直し、本気でごみの減量に取り組もうではないか。(K)


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