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釣っとコラム 紀南のサンゴに思う

 環境省はこのほど、低水温によって壊滅的なダメージを受けた紀伊半島沿岸域のサンゴ群集のモニタリング調査の結果を発表した。釣り人にも興味深い内容なので紹介する。

 顕著な白化や死滅現象が起こっているのは紀伊半島の西側のみ。さらにすさみ町以南では、低水温による直接的な死因以外にウイルスの感染症も目立った。

 全体的にみれば、すべてのサンゴのおおよそ半分が短期間で死滅したことになる。ちなみに田辺湾の沖島(おきのしま)では95%が白化し、うち90%が死滅している。ミドリイシ類は13度台の低水温が20日以上続くと死んでしまうといわれ、今冬の田辺湾では27日間も続いた。

 短期間にこれほど広域で死滅したのは過去最低の海水温を記録した1984年以来という。ちなみに77年が2番目、今年は3番目に冷たかった(串本海中公園センター調べ)。

 県水産試験場の海水温データによると、東側は平年値より0・7度低いだけだったが、西側では2度も低くなっていた。これはサンゴ類だけではなく、魚類にも影響する数字だ。その証拠に今季のグレ釣りの釣果は振るわず、多くの熱帯魚が凍死している。

 今後についても考察されていた。今回大量のサンゴ類が死んだが、今後、みなべ町―すさみ町海域のサンゴ類は充実して、いずれは安定した群集に推移していくと予想している。それに伴う魚類の変遷があるかもしれない。

 これは海水温上昇に伴いサンゴの分布が北上していることを示している。その拡大速度は1年間に14キロという見解(国立環境研究所)があり、4年ほどで串本から田辺に届くという驚くべきスピードである。 (海)


写真【串本の水温】

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