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進む梅の効能研究 さらなる努力で成果生かせ

 長年の課題だった梅の科学的効能が、みなべ町内にある2つの公営研究機関によって、次々と解明されている。将来性のある梅の新品種も開発された。梅業界に、明るい話題が登場した。

 みなべ町のうめ21研究センターは、胃かいようや胃がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌を抑える効能が梅の実にあることを県立医大との共同研究で突き止め、特許を取得した。

 県うめ研究所は、梅酒や梅ジュース、梅干しを加工する前に、種抜きや冷凍処理をすれば、栄養成分が高くなることを解明した。梅の実に含まれる成分や量、効能の研究も進み、特許出願の見通しが立ったものもあるという。

 梅の実にクエン酸、ポリフェノール、ベータカロテンなどの栄養成分が含まれていることは知られている。しかし、加工食品であり、法の規制によって、梅干しや梅酒の健康効果を大々的にPRするのは難しかった。

 それだけに、効能に関係する特許を取得すれば、梅の宣伝力不足を補う大きな力となる。

 新品種の開発も進んでいる。県うめ研究所は、主力の「南高」の特性を受け継ぎながら自家受粉ができる新品種を開発した。南高の果実は粒が大きく、皮が柔らかいので加工に向いているが、これまでは、別品種の梅からミツバチを介して授粉しなければならない欠点があった。

 それを克服する新品種は、南高より早く収穫できる系統と、生活習慣病予防に良いとされるベータカロテンが豊富にある系統の2種類。今月中に特許申請し、3年後には品種登録できるという。

 町うめ21研究センターも、南高梅の授粉用新品種「みなべ21」を開発した。近く特許認定される見込みという。従来なら小梅や小粒南高といった品種が授粉樹として使われていたが、新品種はより南高と相性がよく、実をつける確率も高い。実そのものの品質も、南高と遜色(そんしょく)がないという。

 これらの新品種について、関係者は「主力の南高梅を補助する品種」と位置付けているが、消費拡大への起爆剤として期待したい。

 県うめ研究所は2004年にみなべ町東本庄に建設された。梅の新品種開発、生育不良の解明、健康成分の向上、エコ農業の推進の4つの研究方針で研究を進めてきた。年間2000万〜2500万円の予算で運営している。

 町うめ21研究センターは、旧南部川村がふるさと創生1億円の交付金を使って86年、東本庄に建設した。研究とともに、加工や栽培の講習会も定期的に開いてきた。年間運営費は1000万円前後。

 それぞれがようやく地元に分かりやすい形で研究成果を示すことができた。関係者の苦労に敬意を表し、努力をたたえたい。

 産地にとって大切なのは、この成果を消費拡大にどう生かすかである。まずは、みなべ町だけではなく、県や田辺市とも協力し、一体となって健康効果の宣伝に力を入れることだ。梅の効能を売り込み、付加価値を高めれば、梅ブームが再来するかもしれない。

 そのためには、栽培農家も加工業者も、ともに目先の利益でなく将来を見据えた栽培や経営で、消費者に自慢できる商品を提供し続けることが重要である。(H)


(2008年03月18日更新)

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