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大石誠之介に名誉市民の称号 大逆事件犠牲者、新宮市贈る

 和歌山県新宮市は19日、大逆事件で刑死した同市出身の医師・大石誠之助(1867〜1911)に、名誉市民の称号を贈ることを決めたと発表した。命日の24日に市役所内で表彰式を開く。

 新宮市議会が昨年12月、大石を名誉市民の候補者として市長に推挙する議案を提案し、賛成多数で同意。これを受け、田岡実千年市長と議員有志が今月10日、大石のおいである西村伊作(1884〜1963)の孫にあたる立花利根さん(千葉県)と面会し了解を得た上で、名誉市民とすることを決めた。

 表彰式では大石の代理として立花さんに表彰状を授与。大石をモデルにした小説を著した印南町出身の芥川賞作家、辻原登さんも参列するという。

 決定の理由で市は「平和・博愛・自由・人権を訴えた大石誠之助の思想啓蒙(けいもう)活動は、現在にも通じる先覚的な取り組みであり、明治期に、熊野地方において人権思想や平和思想の基礎を築いたと言える」と説明。すでに名誉市民となっている文化学院の創立者・西村伊作のほか、小説家の佐藤春夫(1892〜1964)や中上健次(1946〜1992)にも影響を与えたとし「本市における質の高い文化土壌の創生において、その功績は計り知れない」と評価した。

 大逆事件は1910年、一部の社会主義者の明治天皇暗殺計画を理由に多くの社会主義者や無政府主義者が検挙され、無関係者を含めて24人が死刑を宣告された。社会主義者の幸徳秋水(1871〜1911)ら12人が処刑され、熊野地域でも幸徳秋水と交流があった大石ら6人が連座して死刑や無期懲役となった。


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