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原因遺伝子を特定 ADHD合併自閉症で和歌山医大

 和歌山県立医大の森川吉博教授らは、注意欠陥多動性障害(ADHD)を合併した自閉症について、特定の遺伝子が大きな原因となっていることを明らかにした。自閉症患者の多くが、ADHDも発症するとされているが、原因が不明で治療が困難だった。今回の研究成果により、有効な治療法の開発が期待できるという。

 自閉症は3歳以前に発症し、その確率は50人に1人という頻度の高い発達障害。罹患率は年々、増加傾向にあるという。他の子どもと遊ばない、視線を合わせるのが苦手、言葉の発達の遅れ、場の空気が読めないなどの「社会的コミュニケーションの障害」のほか、ものをたたく行為を繰り返すなどの「繰り返し行動」、興味のあるものに執着するなど「こだわりの強さ」、小さな物音が大きく聞こえるなど「感覚過敏、感覚鈍麻」といった症状がある。

 一方、別の発達障害「ADHD」は、落とし物や忘れ物が多い、長時間集中できない「不注意」、教室で着席できないなどの「多動性」、順番を守れない、怒ると乱暴になるなど「衝動性」といった症状がある。

 自閉症患者の4〜8割は、この「ADHD」にもかかるとされていて、その場合、症状が重くなり、治療は困難になるという。

 自閉症の要因として、脳の神経細胞間の情報伝達をする部位の遺伝子異常が多く報告されている。そこで森川教授らは「Kirrel3」という遺伝子に注目した。

 マウスでこの遺伝子を欠損させたところ、ADHDを合併した自閉症の主症状の多くを再現する行動異常が見られた。この遺伝子がこの疾患の重要な原因となっていることが分かった。


写真【ADHDを合併した自閉症の発症の仕組みが一部解明できたと発表する和歌山県立医大の森川吉博教授(1月31日、和歌山市で)】

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