AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「近大キャビア」量産へ チョウザメの新魚種飼育

 近畿大学水産研究所新宮実験場(和歌山県新宮市高田)が、シベリアチョウザメの飼育研究を始めた。これまで飼育していた魚種よりも安定した繁殖が見込め、卵も早く採ることができるというメリットがあり、新宮実験場は「『近大キャビア』の量産につなげたい」と意気込んでいる。

 キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにした高級食品で「世界三大珍味」の一つとされる。2008年に販売を始めた「近大キャビア」の価格は30グラムで1万円ほどという。

 新宮実験場ではこれまで「ベステル」と呼ばれるオオチョウザメとコチョウザメの交雑種を飼育研究してきた。しかし、ベステルは交雑種であるため繁殖できなくなる可能性があり、永続的な養殖が難しいという課題を抱えていた。

 このため、新宮実験場では昨年12月、ドイツから純粋種であるシベリアチョウザメの受精卵1万粒を入手し、ふ化した稚魚の飼育研究を始めた。

 稚魚は現在、約7千匹が全長1〜3センチほどに成長。ベステルが成熟するまで7〜8年かかるのに対し、シベリアチョウザメは5年程度で採卵でき、卵の大きさもほぼ同じという。

 新宮実験場の稻野俊直准教授(52)は「シベリアチョウザメは養殖のキャビアで主流になりつつある。今後、おいしいキャビアをつくるための研究とか、キャビアをつくるために全部雌にしてしまうような研究をしていきたい」と話している。


写真【近畿大学水産研究所新宮実験場が飼育研究を始めたシベリアチョウザメの稚魚(和歌山県新宮市で)】

更新)