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主将とエースが指導者に 野球独立リーグの和歌山FB

 田辺市を拠点にする野球独立リーグの和歌山ファイティングバーズ(FB)は、選手21人のうち半数近くが今季で退団し、新たな道に進む。チームの年間優勝に貢献した主将の岩城孝徳さん(25)とエースの金城力樹さん(26)は、共に福島県の同じ社会人チームの指導者になる。

 和歌山FBは、近畿の独立リーグ「ベースボール・ファースト・リーグ(BFL)」に所属し、今季のリーグ戦で3チーム中、1位になった。2位の兵庫ブルーサンダーズ(BS)とチャンピオンシップを戦って勝ち、チーム発足2年目で初めて年間優勝した。

 BFLの選手はNPB(日本プロ野球)の12球団入りを目指しているが、10月のドラフト会議で指名された選手はなかった。給料が出ないBFLの選手は、一年一年が勝負。シーズン終了後、NPB入りできなかった選手は独立リーグなどで野球を続けるか、違う道に進むかの選択を迫られる。

 和歌山FBは、NPBのトライアウトを受けるために退団を申し出た選手や、他球団へ移籍する選手、引退する選手計9人を発表した。

 岩城さんは、チームが発足した2017年2月から2年近くの間、田辺市上秋津の農業森山昌明さん(47)方で働きながら野球を続けた。ミカンや梅の収穫や選別、運搬、肥料まきなど、さまざまな農作業を覚えた。力仕事ができる岩城さんは貴重な戦力。森山さんにとっては息子が1人増えたようなもので、一家で和歌山FBを応援した。

 岩城さんは「農業の経験はこれから役に立つと思う。家族のように温かく接してくれた森山さん夫妻は、和歌山のお父さんとお母さん」と感謝する。

 埼玉県などで少年時代を過ごし、高校、専門学校を経てプロ野球選手になるため独立リーグへ。兵庫BSで1年、和歌山FBで2年プレーした。「勝負の年」と位置付けた今季は主将、捕手としてチームを引っ張ったが、自身は思うような成績を残せなかったという。「10月に年間優勝が決まった後、真っ白になった。プロに入れなかった悔しさはあるが、手応えもあった。和歌山FBに残った選手には失敗を恐れず、人との出会いを大切にしてほしい」と話す。

 大阪府出身の金城さんは、1年半ほどすさみ町のホテルで働きながら野球に打ち込んだ。7月から今月末までは田辺市秋津町の農産物直売店で働いた。今季、岩城さんとバッテリーを組んで勝ち星を重ね、「最後に優勝で終わることができてよかった。和歌山は人柄も良く住みやすかった。現役を引退するが、これまでの経験を指導者や会社員としてどう生かせるか挑戦したい」と話している。

 岩城さんと金城さんは、福島県郡山市の社会人硬式野球チームの監督で、昨年、和歌山FBのコーチを務めた吉田篤史さんの誘いを受けた。2人ともチームを運営する医療機器を扱う会社で働き、選手を指導する。


写真【収穫した柿を直売所に陳列する岩城孝徳さん(左)と、直売所で働く金城力樹さん=田辺市秋津町で】

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