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1年で赤字28億5千万円 新宮―白浜、JR西が不採算路線の経営状況を公表

JR新宮駅(和歌山県新宮市)
JR新宮駅(和歌山県新宮市)
 JR西日本は28日、和歌山県内を通る紀勢線の新宮―白浜(95・2キロ)を含む不採算路線の経営状況を公表した。新宮―白浜の費用に対する収入の割合「収支率」は年々悪化し、2020~22年度の平均は11・9%。県はコロナ禍だった影響が大きいとした上で、沿線市町やJRとつくる協議会で議論を深め、利用促進の取り組みを進めていく。

 公表したのは、19年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)が2千人未満の17路線30区間。

 22年度の新宮―白浜の輸送密度は793人。国鉄からJRに運営が移行した1987年度は4123人だったが、20年後の2007年度は半数以下の1927人。19年度には1085人となり、新型コロナウイルスの流行が始まった20年度は608人まで減った。21年度は731人で、やや回復傾向にある。

 この区間の20~22年度平均運輸収入は3億9千万円で、営業費用は32億4千万円。28億5千万円の赤字となった。赤字は17~19年度平均が28億7千万円、18~20年度が29億3千万円、19~21年度が29億5千万円と増えていたが、やや改善した。

 収支率は17~19年度平均の19・0%から悪化傾向が続く。ただ、公表された30区間の中では5番目に高かった。100円の収入を得るのにかかる費用に換算すると20~22年度が838円で、17~19年度平均の525円から313円増えた。

 一方、30区間で最も収支率が低かったのは芸備線の東城―備後落合(広島県)の0・6%で、100円稼ぐのに1万5516円かかる計算となった。輸送密度は20人。


■知事「全体で採算確保を」

 岸本周平知事は28日、同社が9月下旬に公表した22年度の輸送密度で、新宮―和歌山市の区間が1日当たり3951人だったことに触れ「一部区間を恣意(しい)的に設定し、不採算の問題を提起することは沿線地域に対して将来の交通への不安をあおるものではないかと大変懸念する」と指摘。さらに「国から重要なインフラを引き継いだ鉄道事業者は不採算路線を含めて事業全体で採算を確保し、全ネットワークを維持する方向で事業する責任がある」ともした上で、「県としても路線維持に向け利用促進を図る」と話した。

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