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梅ひょう被害3・8億円超 「凶作傾向」重なり農家落胆、全国一の産地・和歌山

ひょうが当たって傷ついた梅の実(22日、和歌山県みなべ町で)
ひょうが当たって傷ついた梅の実(22日、和歌山県みなべ町で)
 和歌山県は22日、紀南で20日にひょうが降ったことによる梅の被害金額が3億8894万円に上ると発表した。梅農家の間では「今年は凶作傾向」という声が多く、ひょうの被害を受けた農家は、ダブルパンチを受けた格好になっている。

 「ほら、ここも。あそこも当たっている」。みなべ町の農家男性(58)が、傷ついた南高の実を指さして話す。「実が大きくなるにつれて見えてくる傷もあるのではないか。ひょうが当たっていない実を探す方が難しいかも」と話す。

 今年は開花が早かったことなどから、着果数が少ないという。被害があったのは、複数所有する園地の中で、比較的多く実がついた場所の木。全体で昨年比の半分くらいの収量を期待するが、傷が付いた実は等級が低くなると肩を落とす。

 一方、田辺市上芳養の50代農家男性によると、20日は午前10時ごろから夕方まで、断続的に降った。ひょうの粒は2~3ミリ程度から大きなものは1センチくらいあったという。

 22日時点で、パイロット園地にある梅の実の表面には、小さくへこんだような傷が見られた。男性は「あれほど長時間ひょうが降るのを経験したのは初めてだし、自分の畑でこれまであったひょう被害としては一番ひどいと思う。まだ葉が出ていない状態だったので、まともに被害を受けた。今年は着果数が少ないのに、泣きっ面に蜂だ」と弱り顔だった。

 被害の有無は、県やJA、市町が21日に調べた。取りまとめた県によると、被害があったのは、田辺、みなべ、上富田の3市町にある計3528ヘクタール。みなべ町と旧田辺市内では、ほぼ全域で確認したという。時間がたってから分かる被害もあるとして、調査は今後も続けるとしている。

 ひょうによる梅の被害は、みなべ町では昨年5月にもあった。県によると、この時の被害額は約1億5千万円だった。

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