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黒江・商家のくらしと漆器展

黒江での漆器づくりの歴史などが伝わる春期企画展(和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で)
黒江での漆器づくりの歴史などが伝わる春期企画展(和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で)
「蒔絵茶櫃」(紀州漆器協同組合蔵)
「蒔絵茶櫃」(紀州漆器協同組合蔵)
「金柑絵銘々盆」(県立紀伊風土記の丘蔵)
「金柑絵銘々盆」(県立紀伊風土記の丘蔵)
 和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘は、春期企画展「黒江・商家のくらしと漆器」を開いている。「つくる」「あきなう」「くらす」をテーマに、黒江(海南市)の町で営まれる漆器づくりの道具と製品、商家の生活用具を通じ、江戸期から昭和期にかけての黒江の仕事や商い、暮らしの変遷を紹介している。6月16日まで。


 黒牛潟に面する海南市黒江は、江戸初期から職人や商人が集まり、紀州藩の保護を得て渋地椀(しぶちわん)や折敷(おしき)などの漆器を盛んに製造した。黒江塗は、庶民が日常生活で手軽に使える器を大量に生産したことを特色とした。そのため、黒江では一つの町の中で、さまざまな職人が漆器づくりの工程を分業した。漆器問屋など商人が海を通じ、江戸や上方、四国、九州など広範囲に販路を開拓し、明治時代以降には、海外向けの輸出漆器やライフスタイルの変化に応じた漆器を創造した。

 紀伊風土記の丘には、重要文化財「旧柳川家住宅」が黒江から移築保存されており、伝統的な漆器問屋のたたずまいを今に伝える。柳川家で取り扱った商品としての漆器や同家で実際に使われた生活用具から、商家の暮らしぶりも垣間見ることができる。

 展示資料は「金柑絵銘々盆」(紀伊風土記の丘蔵)や「七ツ入子重」(同)、「蒸留器『らんびき』」(同)、「木具膳・八十椀」(同)、「蒔絵茶櫃(和歌の浦の風景を描いた茶櫃)」(紀州漆器協同組合蔵)、「うるし屋看板」(海南市黒江小学校蔵)など174点。

 関連行事として、展示講座が4月14日午後1時半~3時半にある。対象は小学生以上で先着30人。参加費は資料代100円と入館料。参加申し込みは紀伊風土記の丘(073・471・6123)へ。

 開館時間は午前9時~午後4時半(入館は午後4時まで)。毎週月曜休館(月曜が祝日の場合は次の平日)。入館料は一般190円、大学生90円。高校生以下や65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料。

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