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(2)それぞれの空気

 パリの街角は、気ままな空気で満たされている。
 誰もが好きな服をざっくりと着こなし、むき出しのフランスパンを片手に通りをゆく。つえをついたお年寄りも、当然のように信号無視。「私には、私のやり方があるのよ」と静かにサインを送り合いながら。

 フランスでは自分の意見の無い者は相手にされない、といつか聞いたことがある。フランス語が片言の私は、店先などで何かを質問すると面倒がられることもしばしば。けれど、しつこく主張を通して、用事を終えた後には、ニヤリと笑い「オルヴァー(またね)!」と言って送り出してくれる。

 この街の自由な空気をもっと深く吸い込めるように、まずは言葉を身に付けたい。今は風邪の時レモンを食べたくなるように、フランス語を知りたい気分。


【6区モンパルナスの木漏れ日の並木道で。パリに来て初めて絵の具を広げる】

更新)