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(12)静かな嵐

 美術館や画廊巡りもいいけれど、今パリに暮らし何かを表現しようとする人たちは、どんなことを考えているのだろう。そんな興味からボザール美術学校に潜り込んでみる。

 セーヌ沿いの6区、落ち着いたサンジェルマン地区にその門は開かれている。回廊を持つ重厚なアトリエを中心に棟を連ねる校舎。油絵科の教室は、広い空間をブースに区切ったアトリエになっていた。

 ピリッとした空気の中、生徒たちはそれぞれの陣地で自分の世界に没頭する。奥には作品の前で作者と話し込む教授の姿。10あるというアトリエはどこも現代アートの機運で満ち満ちている。

 ドラクロワやモネが通った350年の歴史あるボザールが、現代アート一色なことは少々意外。けれどそこには、その次の新しい「何か」を求める思いが渦を巻いている。それはごみためのようであり、もぎたての果物のようでもある。

 ルーヴル美術館の対岸で、人知れず静かに、嵐は吹き荒れている。


【モンパルナス墓地に長く続く並木道】

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