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(389)エキサイトバザール四日市

 「用意したケンケン鰹(かつお)、もう完売しちゃったんですけど追加で送ってもらえませんか。このままだと明日売るカツオがないんです」「今日は土曜日だからどうしようもないな」

 “直売”と銘打ってもすさみ漁協が誇るケンケン鰹だ。決して安くはない。折しも仕入れた日が大漁で思いがけず安く仕入れることができた。予定していた価格を急ぎ値下げしての販売だったが、小ぶりのカツオが1本2800円もするのに、あっという間に完売した。

 先日、わたしの生まれ故郷三重県四日市市で、広い道路を一定区間閉鎖して“四日の市”から発展した商店会主催のイベント『エキサイトバザール』が開かれ、商店会の直営店がすさみケンケン鰹の直売所に変身した。

 たまたま商店会の理事長がわたしと妻の古い知り合いで、NHKラジオの番組でわたしがケンケン鰹について話したのを耳にし、すさみの物産販売を思いついたとのこと。わたしたちはわたしたちでエビとカニの水族館として依頼されたウツボとイセエビの共生を展示する大型水槽と、磯の生き物のタッチングプール、アオウミガメのプールを出展するために出掛けていた。

 しかし、ケンケン鰹ブランド化委員会のメンバーとしては直売所を目の前にしてほっておくわけにはいかないではないか。すさみから運び込んだのぼりやポスターでにぎにぎしく飾り立てたテント前で、わたしも声を張り上げた。

 「さあ日本初のブランド鰹、獲れたてのすさみケンケン鰹が、ただ今到着しました。限定50本、早い者勝ちだよ!」「奥さん、まあ食べてみてよ。生臭さなんてまったくないでしょ。すさみのケンケン鰹はタタキみたいに薬味で生臭みをごまかさなくてもいいんだよ」

 いやあ売れた売れた。試食をした人は一様に驚き、さばいてくれた魚屋さんもこれは良いカツオだと絶賛しきり。

 あっというまに完売して、漁協になんとか追加を…と泣きつく羽目になったのだ。

(すさみ町立エビとカニの水族館長)

写真ポスターやのぼりで飾られたケンケン鰹の直売所(三重県四日市市で)

更新)