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(390)ザリガニ釣り

 「すぐに上げちゃ駄目だよ。しっかりハサミで挟ませなきゃ」「もっと大きいのを狙えよ」「あっ、あっ、早過ぎる。もっとゆっくり上げなさい!」

 真剣な顔で息子にアドバイスしているのはお父さん。いや、アドバイスだけではない。しっかりと短い釣りざおを握り締め、昔取ったきねづかとばかりにザリガニ釣りに熱中しているのはむしろお父さんの方だ。

 本紙でも報道された通り、わがエビとカニの水族館では、ゴールデンウイーク(GW)期間中のスペシャルイベントとしてザリガニ釣りを実施した。展示用に採集に行ったら予想以上にたくさん捕れたので、そのまま逃がすわけにもいくまいと、スタッフのK君が思いついたのだ。当初、自由に触れられる「ザリガニ・タッチ」にしようかと思っていたらしいのだが、ザリガニとくればザリガニ釣りに明け暮れたわたしの子どものころの血が騒ぐ。わたしの「タッチよりザリガニ釣りにしよう」の一言で即決定した。

 金魚すくい用の浅いプールに放したザリガニは約50匹。短いさおに糸を結び、先端に洗濯バサミを結わえつける。昔は餌にカエルやスルメを使ったが、今回はエビとカニの水族館で餌として使っている冷凍イカの切り身を洗濯バサミに挟んだ。

 “ザリガニ釣り ご自由にお楽しみください。お持ち帰りはできません”というプレートを付け、幕を開けてびっくり。もともと子どもたちを念頭に置いていたのに、さおを手に熱中しているのはむしろ大人たち。おかげで10分もあれば一回りできてしまうわが水族館も、お客さまの滞留時間が大幅に増えて、K君のアイデアは久々の大ヒットとなった。

 ちなみに、このザリガニ釣りはGW期間中だけのつもりだったが、あまりの人気にしばらく期間を延長することにした。あなたも挑戦してみてはいかが。

(すさみ町立エビとカニの水族館長)

写真大人が夢中になったザリガニ釣り(すさみ町江住で)

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