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(392)チョウザメ

 「大きいね!」「2メートルはあるかな」「北京の水族館で4・5メートルというのを見たことがあるけど、実際に飼ってみると生半可なサイズじゃないな」

 世界三大珍味といえばキャビア、フォアグラ、トリュフ。まあ、わたしたち庶民にとってはあまり縁のない食材なのだが、先日、エビとカニの水族館に“キャビアのお母さん”、すなわち体長2メートル近くもあるチョウザメが一時ワラジを脱いだ。

 かねてより生物の交換などで協力関係にある香川県の新屋島水族館から、水槽を改修するので33年も飼育して大きくなり過ぎたチョウザメを引き取って小型のベステルと交換してくれないかとの依頼があり、引き取ってきたものだ。

 名前にサメと付いているものの、実は原始的な硬骨魚の一種だ。その先祖は約3億5000万年前に誕生したところから「生きている化石」の一つに数えられている。体の側面に連なるチョウチョウのような形をした大きな鱗(うろこ)がチョウザメの由来で、この特徴的な鱗から『硬鱗魚』と呼ばれることもある。

 わたし自身、若いころ勤務していた水族館で、いろいろな種類のチョウザメを飼育したことがあるが、これほど大きいのは初めて。体重1トンを超えるオオチョウザメとは比較にならないものの、それでも60キロくらいはありそうだ。何よりもこのチョウザメは日本でもまれに捕獲されることがあるものの、今ではほとんどその姿を見ることができない貴重な種類なのだ。

 残念ながらエビとカニの水族館には展示できるような設備がないので、北海道大学のチョウザメ研究施設に送って繁殖に役立ててもらうことになった。14日、3匹のチョウザメは冷房完備の大型活魚車で北海道に旅立った。近い将来、北大ブランド?のキャビアができたら送ってもらおうっと。

 (すさみ町立エビとカニの水族館長)

写真一時預かったチョウザメ(すさみ町江住で)

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