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(708)新エビとカニの水族館

 「入り口は自動扉にしましょうか?」「いや、やめてください。電気代がかかるから…。これまで通りペットボトルの重みで閉まる自閉扉でいいでしょう」「でも新しい水族館にペットボトル仕掛けなんて」「これがエビとカニの水族館の原点であり、これからの姿勢なんです。お願いします!」

 近畿自動車道紀勢線の延伸に伴って、新たに旧江住中学校跡地に設けられる道の駅に、わがエビとカニの水族館を誘致したいという話がすさみ町から持ち込まれて足かけ2年。さまざまな紆余(うよ)曲折を経たものの、ようやく議会の承認を得て計画が動きだした。

 残念ながら当初から私が移転を引き受ける条件として挙げていた全会一致で…というわけにはいかなかったが、多くの人々に望まれての移転なら引き受けがいもある。

 もっとも、建物・設備等の大部分は町立の水族館として行政が整備し、運営を民間、すなわち私たちが指定管理者として請け負う形ながら、今まで通りどこからも一切の補助なしという独立採算には変わりはない。果たして“日本一の貧乏水族館”が返上できるのかどうかは定かではない。

 そのため、私たちがいや応なく負担しなければならぬ日々のランニングコストを極力下げられるよう、飼育設備以外の「あればいいな」的設備は一切省くことにしたのだ。

 「バックヤードにエアコンがないのは厳しいですね」「我慢してくれ。お客さんがいっぱい来てくれてもうかるようだったら自前で設置するから」

 裏で働くスタッフにいい環境をつくってやりたいのはやまやまだが、体育館の再利用だけに、お客さまスペース以外にもエアコンなんか付けたら膨大な初期費用とランニングコストも跳ね上がる。私も含めて当面は我慢するしかあるまい。

 (エビとカニの水族館館長)

写真継承されるペットボトルを利用した自閉扉(和歌山県すさみ町江住で)

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