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(719)シカたない?

 「せっかく植えたスイカとナスの苗、シカに全部食べられたわ」「えっ? 畑の周りにちゃんとシカ除けのネット張ったのに?」「あんなの、ひょいとまたいだら簡単に入れるもの」

 わが家に隣接して江須の川の川沿いにある小さな畑は、自給自足とまではいかなくても、採れたて野菜を楽しもうと、耕運機まで購入して始めた自家菜園だが、今年は例年になく頻繁にシカがやって来る。

 夜中に思いもかけぬ間近でシカの鳴き声が響いてビックリするだけならまだいい。なかなか休みの取れない私に業を煮やした女房が、いなずみ作業所にお願いして草取りばかりか畝まで作ってもらい、汗水垂らして植えた苗や芽吹いたばかりの新芽を片っ端からシカに食い散らされてはたまらない。

 朝、畑を見回ると付けたばかりのシカの足跡がそこかしこに残り、丸いふんが転がっている。

 「森さんトコ、シカの餌作っとるんか?」

 ご近所さんに揶揄(やゆ)されても事実だからシカたがない。とうとう雑草ばかりになった畑を見て、今年は野菜作りは諦めた。

 それにしても畑の周りには、知り合いの漁師さんからもらってきた古いエビ網を張り巡らし、私自身がシカになったつもりで飛び越えにくいのを確認したつもりだったが、たまたま1カ所低くなっていた所があって、そこから侵入したらしい。

 ところで、本年度の和歌山県ニホンジカ第2種特定鳥獣管理計画によると、生息数5万3千頭と推定されているニホンジカを1万6千頭ほど捕獲し、これ以上の増加を防ぐ、あるいは減少を図るという目標が立てられている。

 自家菜園程度のわが家でさえ頭にきている?のだから、農業や林業で生計を立てている人たちの怒りはいかばかりか。シカに悪気はあるまいが、野生の命を粗末にしないためにも、これは食べて減らすしかあるまいて。

 (エビとカニの水族館館長)

写真畑に残るシカの足跡(和歌山県すさみ町江住で)

更新)