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 「エビとカニの水族館はこれまで入館券を売ったことがありません。また、売店で物を売ったこともありません。スタッフが慣れておりませんのでご迷惑を掛けるかと思いますが、どうかご勘弁ください!」

 オープニングセレモニーのハイライト、テープカットが終わり、VIPパスを首にかけた招待者が入館した後にできた一般客の長蛇の列に、買ったばかりのハンドマイクで呼び掛けるのはかく言う私。

 なにせ自動発券機が1台しかない上に、案内窓口ではすさみ町民割引など証明書の確認を伴う煩雑な発券を扱わなければならないので、瞬く間に列ができてしまったのだ。

 一般客の一番乗りは前夜に駆け付けて車の中で一夜を明かした高知県の男性で、旧館の最終営業日にも来てくれたエビとカニの水族館の熱狂的なファン?。他にもエビとカニのオリジナルクッキーを届けてくれた親子もあった。

 「森さん、オープンのご感想は?」「それどころじゃないですよ。入館までにこんな列ができるなんて予想もしてなかったですもん」

 テレビの取材クルーが私にマイクを向けるが、答えている余裕がない。なにしろ入館を待つ人の行列は道の駅から続く通路を埋め尽くし、とうとう横断歩道を越えて道の駅の前まで届いてしまったのだから。ひたすら「慣れてないので…」を繰り返して謝るしかない。しかし、こんなに大勢のお客さまが待ち望んでくれていたかと思うとありがたい限りだ。

 「入館者数の集計できた?」「招待者などの無料入館を加えたら1100人くらいですね」「うーん、午後2時前にオープンしたから4時間で千人か! キャパから考えたらコレが限界だな」

 なんとぜいたくな! 千人と言ったら以前は夏のお盆の2、3日分、冬だったら1カ月の入館者数じゃないか。しかし、油断大敵! なんとか赤字を出さないようにしなくちゃ。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【ヤシガニのテープカットでオープンしたエビとカニの水族館(和歌山県すさみ町江住で)】

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