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(732)アオウミガメ

 「なんでエビとカニの水族館なのにウミガメがいるの?」「深く突っ込まないでください! いろいろいた方が楽しいでしょ」

 有名になった“日本一貧乏な水族館”とともに「甲殻類に特化した世界唯一の水族館」がウリのわがエビとカニの水族館には、エビやカニを食べる天敵としてミズダコやオオウナギの展示もあるものの、何の関係もない?アオウミガメやゴマフアザラシがいる。

 中でもアオウミガメは甲羅の長さが1メートルを超える巨大な2匹(推定30歳以上)を筆頭に、一緒にプールで展示している7歳、4歳の他、バックヤードには2歳、1歳、生後2カ月とさまざまな年齢のヤツがいる。

 巨大な2匹以外は夏に全国各地で開催している移動水族館で「生命の誕生」と題して卵からふ化させたもので、小笠原・母島のアオウミガメ産卵ふ化場の協力で入手した。ただし、譲渡ではないので、毎年春にはその大部分を小笠原へ運び、標識を付けて放流している。

 「よく慣れてるのねえ」「生まれた時から人の手で育てられていますからね。もっともこちらに寄ってくるのは単に餌が欲しいだけですが」

 旧館時代と比べると水量も面積も3倍と大きくなった新しいウミガメプールのバックドアを開けると、餌の時間と勘違いしたカメたちが次々と泳ぎ寄ってくる。お客さまから見るとなんともよく慣れているように映るらしい。

 もっとも、カメたちの生存競争はこれで結構厳しい。餌を十二分に与えているにもかかわらず、他のカメのひれにかみついたりするワルもいて、度が過ぎると地下の予備水槽へ隔離されるハメになる。

 「この大きいのは何歳ですか?」「分かりません! 小さいのはウチで生まれたコだから年齢は確かですけど…」

 彼らもわが水族館の大切なスターだ。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【新しいプールのドアを開くと一斉に近寄って来るウミガメたち(和歌山県すさみ町江住で)】

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