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(740)トナカイ・マック

 エビとカニの水族館の人気者、雄のゴマフアザラシのマックが、観覧側のガラスに身を乗り出して鼻面をくっつけ、お客さまと向き合う芸?を覚えた。

 別にアザラシショーをやっているわけではない。あくまでも運動不足解消とトレーナーとのコミュニケーション手段として輪投げや輪くぐり、キスやハイジャンプといったさまざまな芸を教えているのだが、マックとしては単にトレーナーと遊んでいる…くらいにしか思っていないだろう。

 「クリスマスも近いことだし、マックにトナカイの角のカチューシャを付けさせられないかな?」「潜ると外れちゃいますよ」「なんとか考えてよ。あっ、それからトレーナーはサンタの格好でね」

 好奇心旺盛で物おじしないマックなら、トナカイでも何にでもなってくれるだろう…という読みは当たった。トレーナーはまずカチューシャを頭にかぶせるところから始め、すぐに外れてしまうカチューシャをゴムで輪にして首に通すことを教えると、マックは嫌がりもせず頭にかぶり、見事にトナカイに変身?してくれたのだ。

 「さすがマックだ。役者だねえ!」

 まだトレーニング中にもかかわらず、たまたま餌の時間に居合わせたお客さまは大喜び。頭からトナカイの角を生やしたイケメン?のアザラシがガラス一枚隔てただけで向き合ってしばらくじっとしててくれるのだから、写真の撮りがいもあるというものだ。

 こうなるとトレーナーにも欲が出て、ガラス面にクリスマス・デコレーションをするんだと、オリジナルの型造りまで始めた。

 「早くお嫁さんを見つけて夫婦でトナカイとサンタをやれるようにしたいね」

 実は既に年頃の雌のアザラシがいないか関係各所に打診しているのだが、嫁探しは難しい!

 (エビとカニの水族館館長)

写真【トナカイに扮(ふん)するため訓練するマックとトレーナー=和歌山県すさみ町江住で】

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