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(756)うり二つ

 「ウチの水族館のバックヤードにそっくりだ。よその水族館に来たような気がしないぞ」

 以前に本紙でご紹介したように、中国の北京海洋館では6月8日にオープンするエビとカニの新しい展示に向けて、今、急ピッチで工事が進んでいる。

 依頼を受けて企画したのは、もちろんわがエビとカニの水族館。展示室の基本設計から展示生物の選定、解説原稿の提供、飼育担当者の研修まで、全てをプロデュースするということで、先日、工事完成直前の監修のため、3泊4日という強行スケジュールで北京へ行ってきた。

 実質2日半の北京滞在中、ホテルと海洋館の車での往復以外は会議と現場での打ち合わせの連続だったが、驚いたのはバックヤードの仕上がりで、水槽のサイズ以外は何から何までエビとカニの水族館そっくりではないか。

 特に角柱水槽は材質の違いこそあれうり二つだ。まあウチから提供した図面で作ったのだから同じなのは当然なのだが、おかげで全く違和感がなかった。

 「原材料を加工して仕上げるまで全部現場でやるんですね」

 人海戦術とはこのことを言うのだろう。鉄のアングルを切断する人、溶接する人、パイプを曲げる人、接着する人、はたまたガラスを接着して水槽を作る!人…。ありとあらゆる職人が同じ場所で作業をし、たちまち形になっていく。加工したものを持ち込み、現場では組み立てるだけという私たちのやり方とは大違いだ。

 「森センセイ、何カ気ノ付イタ点ハ有リマスカ?」「そちらのスタッフは何でもデータ化したがるけど、飼育員の観察から生まれる判断も重要なんですよ」

 さすがに“勘ピューター”が一番とはいえなかった。

 ちなみに北京海洋館のオープニングセレモニーでは、私もテープカットに参加する予定だ。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【同じ設計図で作った北京海洋館の角柱水槽】

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