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(758)アドバイザー

 「“身の丈に合った水族館を造る”ってことは、いたずらに大きい施設を造るのではなく、市民が納得する金額で赤字を出さない水族館を造るってことなんですよ」

 某市に水族館を造ろうという計画が持ち上がって1年。市長をたき付けた?のはかく言う私だから、言ったことには責任を取らなきゃと有識者会議のメンバーを引き受け、ようやく一定の方向性を提言したのだが、コンサルタント業務を受注した設計会社とは大きな意識の隔たりがあることを痛感させられるハメになった。

 正直言って、設計屋さんは事業規模に応じて設計料が決まるのだから大きくて立派な建物を建てた方がいいに決まっている。対して私はエビとカニの水族館の例を挙げて、建物は地震と塩害に強ければ四角いがらんどうの箱でOK。中身はできる限り市販品を使ってコストダウンを図りましょうという姿勢だから相いれられる訳はないのだ。

 「設計屋は作っちまえば後は知らん顔できるけど、現場は逃げられないから…」

 こんなことを面と向かって言ったら角が立つが、エビとカニの水族館は私が基本設計をしたので、見学に来た他の水族館のスタッフからは狭いながらもバックヤードの使い勝手がいいと評価されている。要は現場がいかに使いこなせるかが成功のカギの一つなのだ。

 「なぜこの市に水族館が必要なのか、どうやれば赤字を出さずに運営できるのか、水族館を造ることでどういう効果が生まれるのかをコンサルタントに任せたりせず、担当者自身が明確な答えを出して市民に伝えることですね」「天下りの館長なんて持ってきたらダメですよ。水族館の要は人です。ウチみたいに一人で何役もこなせるスタッフがいてこそ少ない人数で黒字を出せるんです」

 自画自賛をする気はないが、私のアドバイスは担当者に果たしてどこまで伝わっただろうか。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【身の丈に合った水族館ならコレで十分(和歌山県すさみ町江住で)】

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