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(759)職務質問

 「ちょっとお話を伺ってもいいですか?」

「いいですけど…何かあったんですか?」「サミットが近いものですからねえ。警備を強化してるんですよ」「ってことは、ボクが怪しい人に見えた?」「いやいや、ちょっとご協力いただくだけですから」

 移動水族館のPR番組を作るため、成田空港で取材班と合流してチェックインを済ませた私がベンチで手荷物をまとめていたら、千葉県警の警察官が2人、にこにこ顔で近づいてきた。しかし、目は決して笑っていない。

 「コレ、職務質問?」「ええ、まあ」

 テレビの「警察24時SP」のような特番を欠かさず見ている私としては、職務質問される人間の8割が何らかの犯罪者だ!というナレーションが頭をよぎったが、別にご禁制の品!を持っている訳でもなく、快く協力することにした。

 「ねえ、ちょっと聞いてもいい?」「なんでしょう」「職質かける相手ってどうやって選ぶの?」「いや、その、まあ」「ほら、やっぱりボクを怪しいと思ったんじゃないか」

 確かに黒いカメラバッグに黒いパソコンの入ったバッグを重ねてキャリーカートに付け、預けられない水中ビデオカメラのリチウム電池…これがまた爆弾に似ている…などを身に着けているのだから、普通の観光客に比べたら調べてみたくなるのも無理はない。

 「あのね、こんな目立つベンチじゃなく、もう少し目立たないところでやってくれません? 通行人がボクを犯罪者のような目で見てるじゃないですか」「あっ、すみません。それじゃあの柱の陰へ行きましょう」

 やれやれ、もう少し気を使ってくれんかね。

 「聞いて聞いて! 空港で職務質問を受けた。オレのどこが怪しいねん!」 早速女房にメールを入れたら「十分怪しいやろ」と返ってきた。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【これのどこが怪しいの?】

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