AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

(761)車いす

 生まれて初めて外国で丸4日間の車いす生活を体験した。常に誰かが付き添ってくれていたので、自分自身で動くという場面はなかったが、エビとカニの水族館の新館オープン直前にバリアフリー状況を確かめるために試乗した時とは大違いなのを実感した。

 私が監修した北京海洋館のエビカニ特別展「甲殻の西遊記」のオープン式典に招待され、本当ならオープン前の仕上げを手伝うはずだったのだが、訪中して2日目に過労(という診断だった)で倒れ、以後ずっと車いす生活をするハメになった。

 しかし、吐き気を耐えながらの病院通いには、毎日私専属?の通訳氏がホテルまで迎えに来て海洋館差し回しの公用車で送迎してくれたおかげか、車いすがこんなに楽なものだったのかと感じたのも事実。ただ、ちょっと具合が良くなってくると、路面の凸凹やちょっとした段差ももろに体全体に響いてきて、いいかげんなバリアフリー対策ではやらないのと同じだということも痛感させられた。

 残念ながら、日本の最新の車いすの機能や乗り心地がどこまで改善されているのか知らないが、私が乗ったのはエビとカニの水族館に備え付けてあるオーソドックスなものと何ら変わるところはないから、恐らく乗り心地も同じだろう。

 もっとも、公共の場でのハンディキャップに対するマナーは行き届いていた。ホテルでも空港でも、たった1度だけ無理をして出席した頤和園(西太后の愛した離宮)での歓迎晩さん会でも、何ら不自由を感じることはなかった。特に頤和園はバリアフリーなど考慮されていないが、石造りの階段などはスタッフが支えて上らせてくれたり、石畳は凹凸の少ない所をさりげなく選んでくれたりと、私に少しでも負担がかからないような心遣いがよく伝わってきた。いつかこの経験を生かす日が来るに違いない。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【海外で初めて体験した車いす(中国北京市で)】

更新)