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(762)入院

 北京で過労で倒れ、車いすで帰国してそのまま入院した田辺市のT病院。私のホームドクターK先生の手配で、関空から到着した時は全てお膳立てが整えられており、即検査、治療、入院となった。入院はガラス戸に激突して頸椎(けいつい)を痛め、南和歌山医療センターに救急搬送された時以来だ。

 T病院は日頃から脳の磁気共鳴画像装置(MRI)や頸椎のコンピューター断層撮影(CT)、胃カメラなど大掛かりな検査のたびにお世話になっているので、医者のセンセイはもちろん検査技師、看護師さんなど見知った人も多い。それだけでもリラックスした気分になれる。

 それにしても最近の病室は機能的にできているものだ。スイッチ類は全て頭上の手を伸ばせば届く所に集約されているし、読書灯も位置決めは自由自在。無機質なのは仕方がないが、これでもう少し仕事がしやすいレイアウトならなあ…と言ったら女房に叱られた。

 「すみませんが髪の毛がべたべたするんで、頭を洗える所はありませんか?」「あっ、それなら先生に聞いて許可が出たら洗ってあげますよ」「看護師さんにそんなことまでさせていいんですか? 頭くらい自分で洗えますけど」「まだ体がフラフラするでしょう。何かあったら大変ですから…。手が空いたら連絡しますね」

 いやはや申し訳ない。確かに体力は落ちているが、自分でできることはなるべく看護師さんに迷惑をかけないようにしたいという気持ちがどこかにある。むしろ自分はまだできるというプライドかもしれない。

 「とにかく点滴を続けてゆっくりと体を休めなさい。仕事をしちゃダメですよ」

 実は院長センセイの目を盗んで、ベッドの上でノートパソコンを開き、この文章を書いている。センセイ、ごめんなさい。早く治らないのはセンセイのせいではありません。

 (エビとカニの水族館館長)

写真【北京から帰国してすぐ入院した筆者(和歌山県田辺市で)】

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