AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

(768)移動水族館2016

 「長野まで片道10時間以上もかかるんだから、ちょっと生き物を届けて…というわけにはいかないな」

 わがエビとカニの水族館恒例の移動水族館の季節がやって来た。今年は常連?の福山市、松山市のデパートに加えて長野市、広島市と初めての開催地が2カ所も加わった。本体の水族館が道の駅すさみ横に移転後初めての夏休みを迎えることとも相まって、目の回るような忙しさだ。

 「長野の夏休みは短いので短期間勝負なんです」

 へー、知らなかった! 海のない長野県では全て人工海水を使うが、まず水道水の水温の低さにびっくり。夏だというのに18度しかないので、人工海水を溶かすにも時間がかかるし、熱帯の魚を飼うためには水温を上げてやらねばならぬ。まさか夏の催事にヒーターが要るなんて考えもしなかった。

 また、沖縄からの生物の輸送に松本空港が使えず、結局羽田空港からトラックで運ぶ羽目に。直径5メートルのサメのプールを筆頭に大小50台近い水槽に入れる生物は各地からの宅配便、エビとカニの水族館からは活魚車で生物を運んできた。しかし、移動水族館は日程に余裕がある長野会場でも準備にわずか3日、短い所では1日半でゼロから立ち上げなければならないから、生物たちにとっても決してよい環境ではない。

 「トビハゼが届いてません!」「リストと違う魚が来てますけど!」

 魚が届くと、狭いバックヤードは戦場になる。おまけに発注リストと魚種が異なっていたりすると、すぐさま対処しなければならず、私はあちらこちらの水族館に電話をかけまくって、見えない相手に頭を下げながら希望通りの魚をかき集める。

 翌朝10時。昨夜の騒がしさがウソのように移動水族館はオープンした。やれやれ。

 (エビとカニの水族館館長)

【オープンを翌朝に控えて準備に追われるスタッフ(長野市で)】

更新)