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(773)羊毛フェルトクリエーター

 「まあ、ホクトそっくり!」「ここまで似せて作れるもんかね」

 先日急死したわが家のラブラドル犬、ホクトに生き写しの人形が宅配便で届いた。座っている姿で高さは14・5センチとそれほど大きくはないが、鼻先の黒さといい目の上の眉毛のような茶色といい、はたまたベージュの濃淡の微妙な毛色といい、実によく似ている。

 女房のペットロス症候群?を見かねた娘がネットで調べ、ハンドメードマーケットで写真を基に羊毛フェルトでそっくりな人形を作ってくれるという作家を探し出して注文してくれた。私がぼんぼん犬と呼んではばからなかったホクトの人の好さ、いや犬の好さがそのまま表現されている。

 「それにしても似てるねえ。小さいけどまるで生きているみたいだ」

 娘によると、さまざまな角度から撮ってあったホクトの写真を何枚も送り、試作の段階でさらに娘の意見を聞いてくれたという。微調整を重ねながら完成したのだそうで、足の裏の肉球もちゃんとある。12月でもないのになぜかサンタクロースをあしらった首輪がついているのがご愛嬌(あいきょう)だが、首に巻いた赤いバンダナがよく似合っていたホクトにはふさわしい首輪だ。

 「オットー(ホクトと言っているつもり)、オットー」

 ホクトと大の仲良しだった1歳の孫が人形を指さして飾ってある棚のそばに連れていけと私にせがむ。突然いなくなったホクトが小さくなって戻ってきた…とでも思っているのだろうか。

 「羊毛で作ったワンコがこれほど人の気持ちを動かすということに作り手としては身が引き締まる思いです」

 娘の送ったコメントに返ってきた返事を読んで、この作家の注文主に対する心遣いと並々ならぬ力量を感じた。

 (エビとカニの水族館館長)

【ホクトに生き写しの人形(和歌山県すさみ町江住で)】

更新)