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(777)チエちゃん

 「このコ、チエちゃんと言うの。かわいがってやってくださいね」

 またまたエビとカニの水族館に新しい仲間が加わった。と言ってもエビやカニの類ではない。なんと甲長70センチ、甲幅50センチもある大型の陸ガメの一種、ケヅメリクガメがやって来たのだ。

 ケヅメリクガメはアフリカの砂漠の周辺やサバンナにすむ草食性の陸ガメだ。後肢と尾の間に蹴爪(けづめ)のような突起があるのが和名の由来で、小さなものは甲羅がドームのように盛り上がっているが、成長とともに平たくなる。

 ものの本によると、野生種は生息地での野焼きや開発、乾燥による砂漠化、乱獲などで激減して現在その生息数は2万頭にも満たないと推定されている。希少動物の国際間の商取引を禁じたワシントン条約(CITES)の付属書2に挙げられて保護されている。しかし、幸いにも飼育下では順調に繁殖しており、いわゆるブリーディングものがわが国にもペットとして輸入されている。チエちゃん!も手のひらサイズから10年、手塩にかけて育ててきたのだそうだ。

 「年を取った私たちよりまだ何十年も長生きするだろうから、今のうちにしっかりした施設に引き取ってもらった方がこのコにとっても幸せでしょう」

 飼い主のご夫婦がいくらかくしゃくとしていても、マンションの部屋の真ん中を占領した大きな水槽に、体重50キロ近いカメがいてはその世話も大変だろう。

 エビとカニの水族館へやって来たチエちゃんは、まずスタッフによって甲羅の裏からうろこの隙間まで徹底的に洗い立てられた。そして翌日からは毎日日光浴。餌も人工餌料とリンゴやコマツナなどを併用し、栄養過多にならないよう気を使っている。残念ながら一般公開はしないが、特別なイベントなどでお披露目する予定だ。

 (エビとカニの水族館館長)


【スタッフに見守られて日光浴するチエちゃん(和歌山県すさみ町江住で)】

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