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大辺路街道新ルート発見 整備に弾み

 串本町田原の湿地に沿った熊野古道大辺路街道が本来、現在の国道42号付近にあった可能性が強まった。大辺路街道の活性化を目指す「大辺路再生実行委員会」が、串本町が保管する明治時代の田原村の「字図」で確認した。古道はこれまで、JR紀勢線の線路の敷設でなくなったとされ、県東牟婁振興局が作成した「大辺路調査報告書」でもルートは線路上になっている。国土交通省紀南河川国道事務所が国道沿いに古道の整備を計画しており、関係者らは「これで整備に弾みが付く」と期待している。


 大辺路再生実行委員会は、紀南文化財研究会や熊野歴史研究会に委託し、大辺路街道のルート確定などの再調査を進めている。実行委の構成団体である「熊野古道大辺路刈り開き隊」のメンバー、仲江孝丸さん(49)=串本町姫=が、歩ける道を整備するために場所を確認しようと、町税務課で字図を調べたところ、現在の国道付近に道が描かれていることに気付いた。

 字図は字ごとに28枚あり、縦36センチ、横27センチの表紙を付けてつづられている。それぞれ田畑や山林、溝、あぜなどが色付きで描かれている。

 「堂道」の字図では、国道付近に水路があり、その水路に沿って道が描かれている。

 2003年3月に発行された大辺路調査報告書では、串本町田原の堂道の古道は、田原川に架かった堂道橋付近から那智勝浦町方面に向けて線路と同じになっている。

 線路の敷設でなくなった古道を復元することはできず、実行委が、代わりに歩ける道を整備するための場所を探していた。

 実行委のメンバーは「古道は線路でなく、国道付近にあった可能性が高くなった。歩けるようにする道は迂回(うかい)路と考えていたが、本来のルートに沿った形で整備できる」と喜んでいる。

 国道に沿っている水路とあぜ道は国有のため、紀南河川国道事務所が古道を整備する。行政と民間が連携して景観や文化を意識した道造りから地域振興を目指す「シーニックバイウェイ」事業の一環で取り組む。

 整備区間は約700メートル。大辺路再生実行委員会などから意見を聞いて古道にふさわしい整備をする計画で、安全に歩けるよう、柵を設置したりすることも考えている。周辺は自然観察が楽しめる湿地ということもあり、大辺路の人気スポットになると期待されている。

 河川国道事務所は「来年度の早い時期に着工したい」と話している。


写真【串本町が保管している明治時代の田原村の字図】

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