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高野熊野はライムの香り 県と花王が共同研究

 高野熊野の森を代表する樹木のコウヤマキ(スギ科)とトガサワラ(マツ科)にかんきつ類のライム(ミカン科)と同じ成分があり、熊野古道周辺の香りには、スギやヒノキなどの針葉樹が発する清涼感の強い成分が含まれていることが、県と「花王」(東京都中央区)の研究機関の共同研究で分かった。世界遺産地のイメージアップと同時に、県は「ライムは香りが良いので、コウヤマキなどの香りは利用価値がある」と商品化にも期待を寄せている。


 熊野の秘める「癒やし」パワーを森が発散する香りから解明しようと、花王香料開発研究所と県環境衛生研究センターが2004年から共同研究している。高野山でコウヤマキとトガサワラの香りを、田辺市中辺路町の熊瀬川王子周辺で森の香りを採取した。数百〜数千リットルの大気を濃縮する新しい精密技術を使って調べた。

 その結果、コウヤマキとトガサワラが発する爽快(そうかい)な香りから、「ゲルマクレンB」と呼ばれる、ライムに含まれるかんきつ系の成分が見つかった。トガサワラには赤ジソに含まれる薬効性の香り成分もあった。

 熊野古道の森の香りには「セスキテルペン類」と呼ばれる、針葉樹特有の清涼感の強い成分が含まれていた。これまで「森の香り」としては、草花全般に共通する成分しか確認されていなかった。

 花王は入浴剤で「森の香り」を売り出しており、快適性や、消臭などのさまざまな効果や効能を持つ香りを開発している。

 同社広報部は「熊野古道の森の環境には、針葉樹特有の香りが重要な役割を果たしていることが分かった。自然の香りを追究した商品開発に応用したい」と話している。

 県環境衛生研究センターは「熊野の『癒やし』について、香りの部分でも脚光を浴びるようになれば」と話している。


写真【奥の院に設置された大気の採取器具(2004年8月、高野山で)=県環境衛生研究センター提供】

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