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新たに熊野古道の街道見つかる 大辺路・富田坂

 熊野古道大辺路街道、富田坂(白浜町富田―同町安居)として整備されている安居辻松峠から安居側の林道沿い3カ所で、本来の大辺路街道とみられる道が見つかった。民間団体が近く、通れるように整備する。いまのところ延長1キロ足らずだが、調査が進めばほかにも見つかりそうだ。研究者らは「照葉樹の自然林に囲まれた趣のある道」と評価している。


 民間団体と大辺路沿いの4町、県でつくる大辺路再生実行委員会の事業の一環で、古道の整備と調査に熱心な有志らが、昨秋、刈り開き作業をしていて発見。研究者が年末にかけて調査した。

 富田坂は、白浜町富田・草堂寺から「一里松跡」「七曲がり」「峠の茶屋跡」「安居辻松峠」「三ケ川の梵字(ぼんじ)塔」などを経て安居に至る約13キロの街道。このうち草堂寺境内と七曲がりから安居辻松峠付近までの約3キロが世界遺産に登録されている。

 それ以外の部分の多くは本来のルートが埋もれて見つかっておらず、関係自治体などが林道や県道を仮のルートとしている。林道は旧街道と案内表示しているがセメント舗装されている。

 見つかったのは、世界遺産に登録されていない安居辻松峠から三ケ川の林道ゲートまでの間。道幅が1・5メートル前後と広く、周囲はウバメガシを主とした自然林が多く残っている。

 現地の整備作業と調査に協力した「大辺路刈り開き隊」の辻田友紀代表は「先人の古道愛好家らの調べで、部分的に本来の街道の存在が知られていたが、調査できていないところもあった。いまの林道沿いに街道があったという古老の証言もあり、まず間違いないと思う」と話す。

 大辺路再生実行委から委託されて現地調査している紀南文化財研究会(田辺市)の浜岸宏一副会長は「現地で世界遺産の長井坂(すさみ町)で見つかったのとほぼ同じ年代の碍子(がいし)が見つかった。これは、それまで主に利用された道であることを示す物証といえる」と分析。同研究会の橋本観吉理事は「本来の街道ではないかと考えるが、できれば地元の古老に歩いてもらい確認したい」という。

 現地を何度も調べている白浜町文化財保護審議会の上野宏委員は「見つかった道は古道に関する複数の古老の証言と一致する。ほかにもまだ確認されてないルートがあり、調査で分かってくるのでは」と楽しみにしている。

 大辺路刈り開き隊では地権者の協力を得て、見つかった街道の整備を27日に実施する。


写真【新しく見つかった大辺路街道(白浜町の安居辻松峠付近で)】

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