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世界遺産次世代へ 県が修復の補助制度創設

 県は、世界遺産が風水害などで損傷した場合、修復、保護する補助事業を創設する。小規模な損傷には国や県の補助金がなく、地元市町や所有者の負担でまかなわれることが多かった。観光客が増える熊野古道では損傷も増えており、県は「制度創設できめ細かい保全管理をし、良好な状態で次世代に受け継いでいきたい」と話している。


 県は新年度予算案に「世界遺産緊急保全対策」事業費として1000万円を盛り込んでいる。

 県教委文化遺産課によると、国指定文化財については、200万円以上の修繕事業であれば国から補助が出るが、それ以下だと世界遺産でも補助は出ない。県の補助制度もなかった。

 県は新制度で、世界遺産の登録資産の核心地帯「コアゾーン」だけでなく、緩衝地帯の「バッファーゾーン」も補助対象に広げて修復保全に乗り出す。

 世界遺産の中でも、熊野古道は遺産登録による観光客の増加で、損傷しやすくなっている。加えてイノシシがミミズや木の根を掘ったり、雨で土砂が流れ出して石段の基礎コンクリートが露出したりする場合がある。放置林による倒木、捨てられたごみも景観の維持管理に影響を与えているという。

 県教委は今後、世界遺産の損傷事例を市町に聞き取りし、把握した上で保全活動を始める。

 昨年5月には大雨の影響で、田辺市中辺路町道湯川の熊野古道で、延長14メートルにわたって土砂崩れがあり、古道をふさいだ。田辺市が単独事業で修復し、費用100万円を負担した。

 田辺市教委文化振興課によると、市は熊野古道の損傷については、災害復旧工事の公共事業と位置付けて維持管理してきた。新たに創設される県の補助事業について「世界遺産の保全活動をする面で、県の補助ができることを歓迎している」と話している。


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