AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

治水と景観の計画案を検討

 田辺市本宮町で19日、熊野川の河川整備計画を話し合う第3回「本宮地区熊野川を考える会」が開かれた。地元住民らが参加し、世界遺産の景観保護と洪水を防ぐ整備方法について、意見を出し合った。

 熊野川の氾らんで浸水被害が多い本宮地区で、住民の意見を生かした河川整備計画を策定するため、県は昨年3月から「考える会」を設けて、治水と世界遺産の景観保護を考えた計画案を検討している。

 考える会には、地区住民や語り部、市職員、漁業関係者ら11人の委員が参加している。

 前回までの会議で、近年で浸水被害が最も大きかった1990年の台風19号による被害を基準に事業計画を作ることと、世界遺産の景観保護の観点から、備え付ける堤防の高さを熊野本宮大社旧社地の平均標高58・5メートルを基準に設けることを決めた。

 この日の会議では、県が基準を踏まえて作った計画案で、新たに生じた問題点を報告した。

 計画案では景観を守るため、堤防の建設を旧社地近くにとどめることにしているが、県が旧社地内を調査したところ、ほかにも一部で基準とする標高を下回る場所があることが判明。その低地部分から浸水してしまうという。

 この報告に対し、委員からは「旧社地を囲うという現状を大きく変化させる護岸工事は自然環境も変えてしまうのでは」「高い堤防は景観を損なう。河床を下げることで対応できないか」「文化財担当者も交えて計画案を作ってはどうか」などの意見が出た。

 また、前回までの会議で質問が多かった熊野川上流のダム機能について担当者が発電ダムのため治水効果がほとんどないことと、大雨時は急速に天候が変化するため放流予測が難しいことを説明した。

 県は今後、今回の会議で出された意見を基に、計画策定に必要な調査と資料作成に取り組み、計画の検討を進めていく。


写真【熊野川の治水対策について話し合う考える会の参加者ら(19日、田辺市本宮町で)】

更新)