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「心の映像も文化的景観」 世界遺産講演会

 県世界遺産熊野地域協議会は17日、田辺市本宮町の本宮行政局で世界遺産講演会を開いた。就実大学(岡山市)人文科学部の川崎剛志教授が、熊野にまつわる縁起絵巻を事例に文化的景観について講演し「実際に見える映像だけでなく、心で拝み、見る映像も景観と言える」と話した。

 世界遺産講演会は1月から、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録条件となった文化的景観をテーマに、田辺市や新宮市、那智勝浦町で開いている。

 川崎教授は熊野や大峯の歴史を物語る「縁起」を研究対象にしている。講演会では、プロジェクターを使って図画を映し出しながら話した。

 鎌倉時代の「熊野宮曼荼羅(まんだら)」の中では、伏拝王子と熊野本宮大社の社殿の位置が実在の位置関係と異なって描かれている点に触れ、「あこがれの地として熊野を想像し、心の中にため込んだ映像を記録しているもの」と紹介した。

 現代社会では、写真や映像を通じて熊野を紹介しているが、かつては言葉や絵画、書物が伝達手段だった。そのため、熊野信仰を全国に広めるために作られた縁起絵巻には「人々が想像し、あこがれる存在として熊野が描かれている」という。

 熊野信仰の流行とともに、縁起絵巻や書物の中で、熊野の神の誕生秘話がさまざまな形で語られてきたことについて「遠い所にあるからこそ、信仰する人それぞれが熊野の夢を描いて信じた」と説明した。


写真【文化的景観をテーマに開かれた講演会(田辺市本宮町で)】

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