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畑仕事してみませんか 遊休農地の働き手誘致

 田辺市本宮町三越、発心門王子近くの集落で、NPO法人と住民団体が協力して、農作業を楽しみたい都市部の人や団体に遊休農地を活用してもらう取り組みを始めた。過疎化や高齢化で生産者が減少し、県内各地で遊休農地が増加しており、関係者は「世界遺産に登録された熊野古道が通る山村の景観を守り、都市部と交流することで、まちの活性化につなげていきたい」と話している。

 のどかな山村風景が広がる発心門の集落は、熊野古道の中辺路ルートのメーンコースに位置し、世界遺産登録後は熊野古道歩きを楽しむハイカーの姿も多い。

 世界遺産の登録条件となった「文化的景観」を構成する山村風景も、農作業から離れる高齢者が増え、遊休農地が目立つようになり、地区住民らを悩ませている。

 このため、NPO法人熊野本宮(小渕宇津比古代表)は、住民が所有している遊休農地を無償で借り受けて、景観の保全に乗り出した。農地は発心門王子近くの約12アールの田畑で、荒れ地だったが耕し、「ほしんぼ農園」と名付けた。

 昨秋から県の「企業の森」事業に参加する企業や団体などに、農作業体験の場として提供している。

 今年は、参加者を募集して野菜の苗を植える体験会を開催した。今後は、体験会だけでなく、希望者や団体から申し込みを受け付け、自由に農作業を体験できる仕組みづくりにも取り組む予定という。

 メンバーの内野久美さん(34)は「本宮町を訪れた人が気軽に参加でき、定期的に通ってもらえるような仕組みを目指したい」と話している。

 水やりなど日ごろの管理は、住民団体「発心門を護(まも)る会」が担当する。今年5月に発足した同会は、地元住民を中心に田辺市街地や県内外に暮らす地区出身者で構成している。

 会員は、年間を通して地域の祭りや草刈りなどの活動に取り組む一方で、シカやイノシシなどの獣害の温床となる遊休農地の対策もする。また、農作業体験では、作業時に指導係なども務めるという。

 発起人の一人で、発心門自治会長の面屋富男さん(73)は「先人たちが守ってきた歴史や文化を継承していくことは大切。取り組みを愛郷心のある若い人たちに引き継いでいきたい」と話している。


写真【「ほしんぼ農園」で田植えをする県「企業の森」事業の参加団体(田辺市本宮町で)】

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