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10年後に向け連携 中辺路町高原区民ら地域づくり考える 世界遺産10周年

 まちづくりのNPO囲炉裏が29日、和歌山県田辺市中辺路町の高原集会所で紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録10周年を記念したシンポジウムを開いた。高原区民らが登録後を振り返り、これからの10年に向けて「受け継いできたものを絶やさない」「地域の良さを知ってもらう努力を」と意見を交わした。

 高原区と市中辺路行政局が共催。世界遺産と地域振興についてこれまでの10年を見つめ直し、区民同士が10年後に向けてさらに連携を深めようと開いた。

 和歌山大学南紀熊野サテライト客員教授の鈴木裕範さんが進行役を務め、Iターン者を含む高原区民や来場者、真砂充敏市長らが地域について意見を交換した。世界遺産に登録されて良かったことや登録後の変化、地域の魅力、課題、これからの地域づくりなどを話題に挙げた。

 岩見和泰区長は「先人から受け継いできたものを、絶やすことのないようにしていきたい。地区内の棚田を守って、われわれが10年後、バトンタッチできる形をつくり上げることが使命ではないかといろいろな話をしている」といい、真砂市長は「今の状態をどう持続させていくかがテーマ。交流人口を増やす、ここのファンを増やすことをみんなでする。Iターン、Uターンに結び付ける。地域の良さを知ってもらう努力をしていきたい」と話した。

 区民からは「多くの人が来てくれて、景色に感動してくれる。2回目、3回目と来てくれている」「たくさんの人に知ってもらえている。外の風が入ってくるのが良い」などの声があった。

 鈴木さんは「地域にある、あらゆるものが資源。高原も活用する余地がもっとあると思う。希望が持続的な地域の発展につながっていく。何もしなければ何も始まらない。世界遺産10周年を次の10年に向かって一歩進む機会にしていただきたい」と結んだ。

 このほか、囲炉裏の倉尾弘大代表による基調講演があった。倉尾代表はこれまでの活動を振り返り「高原の棚田風景を残していかないといけないというのが共通の課題。単体ではなく、滝尻や古道ケ丘、高原、近露ラインを結ぶことが大事。高原で長く滞在して泊まっていただく戦略を考えていただいたらいいと思う」と伝えた。区民を対象にした世界遺産登録の評価などについての意識調査も紹介した。

 真砂市長は、市と観光交流協定を結んだスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ市への視察を報告した。


写真地域づくりについて意見を交わす住民ら(29日、和歌山県田辺市中辺路町高原で)

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