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国の史跡指定求め意見具申 熊野古道大辺路

 和歌山県串本町は、町内で世界遺産の追加登録候補地となっている「新田平見道」など大辺路の4カ所について、追加登録の条件となる国の史跡指定を求め1月末、県を通じて文化庁に意見具申する。町内の大辺路は「熊野古道大辺路刈り開き隊」(上野一夫代表)がこれまで地道に保全や復元に取り組んでおり、上野代表は「十分世界遺産になる価値がある道」と話している。

 候補地となっているのは、約30メートルにわたり石畳が残る新田平見道(和深、延長約227メートル)、大辺路で最も規模が大きい約200メートルにわたる石畳が残る富山平見道(田子、延長約214メートル)、約30メートルの石畳が続く飛渡谷道(田並、延長約387メートル)、那智勝浦町との町境にあり道標がある「清水峠」(田原、延長約321メートル)。

 熊野古道の海岸ルートである大辺路で世界遺産に登録されているのは、白浜町の富田坂と仏坂、すさみ町の長井坂の3カ所だけ。串本町には世界遺産に登録されている箇所がなく、登録の前段階として、2010年度から県などと連携し、国の史跡指定を目指して調査や協議を行ってきた。12年度以降は、国や県の補助金を活用し、壊れた石畳や路肩の修復工事などを原形を損なわないように行い、整備してきた。

 それ以前から活動をしてきたのが、04年に有志で発足した熊野古道大辺路刈り開き隊。ほとんど歩かれなくなっていた大辺路を調査し、よみがえらせるために草や雑木を刈ったり、石畳を整備したりしてきた。状況を確認するための見回りや清掃の他、大辺路でのウオークイベントでガイドを務めることも多い。

 同隊はこのほど、新田平見道、富山平見道、飛渡谷道の世界遺産追加登録候補地3カ所と、高場平見(有田)の計4カ所で、枯れ木や倒木を片付けた。隊員7人がのこぎりやチェーンソーを使って作業をした。上野代表によると、大辺路を歩くのは主に小グループで、今年の秋は以前より増えた。枯れ木や倒木が景観を損ね、危険でもあるという声が聞かれたことから、今回作業に当たった。

 上野代表は「世界遺産追加登録候補地は町内の大辺路の中心となる場所で、快適に歩いてもらえるようにしたかった。十分世界遺産に値する道だと思うので、国の史跡指定、世界遺産登録で大勢に知ってもらい、歩いてもらいたい」と話している。

 町教委の平井治司教育次長は「世界遺産登録をぜひ実現して、紀南一帯で活用、保存をしていかないといけない。町内では大辺路刈り開き隊が地道に活動してくれているのがすごく大きい」と話している。

 国の史跡指定は15年8〜10月に官報告示され、世界遺産の追加登録は16年6〜7月に世界遺産委員会で決議、承認される。


写真倒木を除去する大辺路刈り開き隊のメンバー(和歌山県串本町田並の飛渡谷道で)

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