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大雲取越で落石の危険 那智勝浦の色川辻付近

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の和歌山県那智勝浦町の大雲取越の色川辻付近で、落石の危険性があることが分かった。管理者の那智勝浦町は1年前から把握しており、町教育委員会は「できるだけ早く対応したい」としている。

 総務省和歌山行政評価事務所の調べで分かった。国内の「世界文化遺産」を地域活性化に活用しながら、どう保存管理を行うかが課題になっている。そこで総務省が、関係行政の取り組み改善につなげようと国内の世界文化遺産の実態について調査。総務相が15日、文部科学相と環境相に勧告した。

 県内の「紀伊山地の霊場と参詣道」の調査は和歌山行政評価事務所が担当。関係自治体に書面で調査したほか、田辺市、新宮市、那智勝浦町、県から聞き取りした。

 事務所職員は昨年1月15日、那智勝浦町教育委員会職員の案内で、同町中辺路大雲取越を調査。色川辻付近で土砂崩れを発見した。町教委によると、道から高さ3メートルほどの斜面に岩があり、直径1メートルほどが露出。大部分は土中に埋まっているとみられる。町教委は1年近くたった11月17日、近くの2カ所に「頭上注意」「通行注意」と書いた紙を掲示した。

 町教委生涯学習課の寺本尚史課長は「どの程度危険か、山を削らずにどう処理するかなどを含め県や関係機関と協議を進めてきたが、来訪者に注意喚起する看板の設置が遅れたことは確か。岩の露出部分の撤去や参詣道のパトロール回数を増やすことなどを検討している。また、雨水で一部流れた道も土入れをしたい」と話している。

 このほか、県内の熊野参詣道の石畳に「山本」(1文字約7センチ四方)と彫られた落書きもあったが、文化庁がこの件を把握していなかった。文化財保護法で管理者は、文化庁に届ける義務がある。

■地図に誤解招く表記 ガイド本やHP 

 また事務所は、県と新宮市、那智勝浦町作製のガイドブック各1件と、県のホームページ(HP)2件について、世界遺産に登録されていない参詣道も登録区間と誤解される可能性が高い地図を掲載していることを確認した。全区間登録されていない紀伊路や、未登録区間が多い大辺路などが全区間登録されているように見える地図があった。

 事務所は15日、那智勝浦町と新宮市、県に対し、調査結果を知らせる「参考通知」を出した。自主的な改善を期待しているという。


【大雲取越の色川辻付近で見つかった落石の危険箇所(昨年12月11日、和歌山県那智勝浦町で)=和歌山行政評価事務所提供】

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