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古道など22カ所 世界遺産の追加登録提案へ

 政府は14日、世界遺産条約関係省庁連絡会議を開き、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に、和歌山県田辺市の闘鶏神社や中辺路北郡越、潮見峠越など22カ所を追加登録するよう、ユネスコ世界遺産センターに提案することを決めた。参詣道は40・1キロ延び、347・7キロになる。2月1日までに提出し、7月の世界遺産委員会で審議される。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」は2004年に登録されたが、境界が特定できなかったり、地権者の同意が得られなかったりして、申請に間に合わなかった箇所があった。県は10年から、世界遺産提案の条件となる国史跡の指定など、追加登録に向けた取り組みを進めてきた。

 今回の提案では、中辺路を11・4キロ延ばし100・2キロに、大辺路を4・1キロ伸ばし14・1キロに、高野参詣道はこれまで町石道(24キロ)だけだったのを、黒河道や女人道などを加え48・6キロにする。大峯奥駈道、小辺路、伊勢路は変更がない。登録されれば、新たに上富田町、串本町、橋本市が世界遺産保有市町となる。

 遺産全体に重大な影響を及ぼさない「軽微な変更」での申請で、県は「抜け落ちていた経路が補完されることで、保全はもちろん、観光面でもアピールしていきたい」としている。一部が史跡指定されている和歌山市と田辺市を結ぶ紀伊路については、開発が進んでいることや森林景観が不十分であると判断される可能性が高いとして、提案内容から外した。

 センターは提案書を確認後、諮問委員会の国際記念物遺跡会議(イコモス)に送付。イコモスが提案書について「承認」「不承認」、再提出が必要になる「情報照会」などを審査し、5月下旬から6月上旬に世界遺産委員会に勧告。委員会が7月10〜20日にトルコ・イスタンブールで審議し、決定する。認められれば、島根県の「石見銀山遺跡」に続き国内2例目の追加登録となる。

 県教育委員会文化遺産課の水上勇人課長は会見で「課題が多かったが、ハードルを越えてようやくここまできた。認められれば、新たに3市町が世界遺産を持つことになり、住民にとっても郷土の誇りにもなるのではないか」と話した。

 紀伊山地の霊場と参詣道は、高野山など古代に成立した3霊場と、それらを結ぶ計300キロ以上の参詣道で、三重県と奈良県にもまたがる。信仰と自然の営みが形成する「文化的景観」が評価され、04年に世界文化遺産に登録された。

 真砂充敏田辺市長の話 田辺市は世界遺産追加登録を目指し、中辺路(北郡越、長尾坂、潮見峠越、赤木越)と大辺路(闘鶏神社)の5カ所を候補地として取り組んできた。変更提案書の提出でようやくスタートラインに立てたという気持ち。申請が無事認められるよう願うとともに、今後の動きを見守りたい。

 追加登録が提案されるのは次の通り。

【熊野参詣道】

〔中辺路〕

 田辺市=北郡越、長尾坂、潮見峠越、赤木越
 那智勝浦町=小狗子峠、かけぬけ道
 上富田町=八上王子跡、稲葉根王子跡
 新宮市=阿須賀王子跡

〔大辺路〕

 田辺市=闘鶏神社
 白浜町=富田坂
 すさみ町=タオの峠
 串本町=新田平見道、富山平見道、飛渡谷道
 串本町・那智勝浦町=清水峠
 那智勝浦町=二河峠、駿田峠

【高野参詣道】

 かつらぎ町=丹生酒殿神社・三谷坂
 高野町=京大坂道不動坂
 橋本市・九度山町・高野町=黒河道
 高野町=女人道


【世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の追加登録候補の闘鶏神社(上)と中辺路北郡越=いずれも和歌山県田辺市】

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