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官民連携して熊野古道大辺路に誘客

 和歌山県田辺市から新宮市までの熊野古道大辺路街道の誘客対策に、官民が連携して乗り出した。16日には、古道を整備したり案内したりする団体や市町の関係者らが串本町に集まり、課題について意見交換した。多かった意見は、海外からの訪問者にも対応し、案内板やマップのデザインを統一すること。今後も継続して会合を開き、実現を目指す。


 田辺市の海岸部から紀南地方を横断して熊野本宮大社(田辺市本宮町)などに向かう熊野古道中辺路街道は2004年の世界遺産登録後、人気が続いており、海外からの訪問者は年々増えている。その一方で、大辺路街道は登録後何年間かは多かったが、その後減少し、3年前からは旅行会社企画のツアーはほぼない状態だという。

 しかし、田辺市熊野ツーリズムビューローなどによると、海外からの訪問者による大辺路の問い合わせが増えており、問い合わせの際、「歩くのは難しい」と応じている。その理由は、英語表記の案内板やマップがないからだという。

 そんな声があったことから、県の活性化を目指す和歌山社会経済研究所(和歌山市)が音頭を取り、熊野古道大辺路刈り開き隊や長井坂クラブ、なちかつ古道を守る会など民間団体の関係者、大辺路が通る6市町の観光や文化財担当職員、観光協会関係者ら35人が集まった。

 参加者が最も問題視したのは案内板の少なさ。刈り開き隊の上野一夫会長は「世界遺産の仏坂でも少なく、登録されていない馬転坂や新田平見などでは分かりづらい」。新宮市観光協会の丹羽生会長は「高速道路が伸び、個人客が増えている。早く整備しないと対応できない」と指摘した。

 これについて、ツーリズムビューローのブラッド・トウルさんは「中辺路も最初はそうだった。案内板がないと歩くのは厳しい。外国人の目線で設置する必要がある。マップも含め、中辺路と統一したデザインにすれば発信しやすい」と訴えた。

 トイレや駐車場の少なさ、公共交通の不便さを指摘する意見も多かった。

 世界遺産の追加登録も話題になった。ツーリズムビューローの多田稔子会長は「中辺路と大辺路を合わせ、熊野を一周できるコースをつくる必要がある。そのことで熊野により長く滞在してくれることになる。大辺路にはその可能性がある」と強調した。

 次回は2月下旬から3月上旬にかけて開く予定。


熊野古道大辺路街道の整備について意見交換する紀南の行政や団体関係者ら(18日、和歌山県串本町串本で)

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