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清掃しながら歩く 県が古座街道で初の企画

 修復や清掃をしながら古道を歩く県主催の「環境保全トレッキング」が5日、和歌山県のすさみ町や古座川町の古道「古座街道」であった。105人が参加した大規模なツアーで、環境保全活動として企画されたのは古座街道では初めて。地元の関係者らは、誘客企画の広がりを喜んでいる。

 環境保全トレッキングは企業や学校とは別に一般が対象で、2009年度から始まった。これまでの活動の場は熊野古道中辺路街道や紀伊路、高野山町石道など参詣道だったが、今回初めて、参詣道でない古座街道で企画した。ただ歩くだけでなく保全に協力していることを実感できるとあって人気があり、古座街道でも募集人数の2倍の応募があった。参加者の約9割は大阪府や兵庫県など県外からで、女性が8割以上を占めていた。

 参加者は5班に分かれ、すさみ町佐本深谷を出発。峠越えの道を約3・5キロ歩いた古座川町長追福井谷で、約600メートルにわたって続く石畳に転がっている小石や木の枝などを取り除いた。その後、佐本渓谷沿いに道を歩いて佐本深谷に戻った。

 発着地点では地元住民らにより蜂蜜や干しシイタケ、茶の葉、芋餅などの産品が販売され、人気を得ていた。

 山登り仲間と2人で参加した大阪府吹田市の女性(39)は「環境保全トレッキングの参加は4回目。趣味の延長で社会奉仕ができるのがいい。古座街道は知らなかったが、スリルがある場所もあり、自然の中を歩いているのを実感でき、楽しかった」。環境保全トレッキングは3回目という堺市の女性(38)も「熊野古道よりも自然が残る道でよかった。また機会があれば参加したい」と話した。

 古座街道は、上富田町朝来からすさみ町佐本地域や古座川沿いを経て串本町古座に通じる延長約80キロの古道。かつては主要街道の一つで「熊野中道」ともいわれた。14年から旅行会社企画のツアーが始まるなど、歩く人は徐々に増えている。今春には少なくとも旅行会社5社がツアーを企画しており、その中で保全活動をするのは今回のツアーだけで、1回当たりの参加人数は最も多い。

 今回のツアーでは、古座街道を刈り開いた住民団体「熊野古道大辺路刈り開き隊」と「長井坂クラブ」のメンバー計6人がガイドや清掃の指導を務めた。刈り開き隊の上野一夫代表(67)はツアーの増加を喜ぶとともに「古座街道はまだまだ修復や清掃が必要。ツアー客が協力してくれるのはありがたい」と話した。

 県は古座街道を「日本近代産業を支えた炭の生産地の物流の道」などとして、熊野古道とは違った視点で国内外に売り出したいという。


写真【古道に転がった小石や木の枝を取り除く参加者(和歌山県古座川町長追で)】

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